【天皇賞・春】ヴォージュ逃げ宣言!淀の長丁場でこそ輝く
2019年04月24日 05:30
競馬
「鍛えるだけ鍛えてきました。先週の調教もやり過ぎるぐらいビッシリやっています。あとは展開と運だけだと思います」
今一度、万葉Sの内容を吟味しよう。スタートからハナを主張。後続を引き離し、単騎逃げの形に持ち込む。2周目3コーナでは1馬身差まで詰められながら、坂の下りから再びスパート。直線は持ち前のしぶとさを全力で発揮し、後続を完封。2着に負かした相手が今回の天皇賞でも上位人気を集めるユーキャンスマイルだから軽くは扱えない。
完全単騎。これがヴォージュのスタイル。今回も当然行く構えだ。
「今回、前に行くのはロードヴァンドールぐらいでしょう。ならば、こっちが主張できると思う。この馬は前後に馬がいると良くない。一頭だけポツンと走れる形がいい」
指揮官から早くも“ハナ切り”宣言が飛び出した。これは同型をけん制する意味もあるだろう。人気薄の逃げ馬は怖い。歴史が物語っている。過去に10番人気ながらゼンノロブロイを7馬身差完封したイングランディーレ(04年)や、14番人気の低評価を覆したビートブラック(12年)の例もある。まして今年は最大13頭立ての少頭数。淡々とした逃げで後続の人気馬が差し届かないシーンは容易に想像できる。
「あとは展開だけでしょう。京都では結果を出してくれていますから」
西村師は自信ありげな笑みを浮かべる。平成最後の天皇賞。沸かせるのはステイゴールドの血を受け継ぎ、無尽蔵のスタミナを誇るヴォージュだ。
≪天皇賞・春 逃げ切り波乱劇≫04年 イングランディーレの横山典はスタートと同時にハナを主張。後続に最大20馬身以上の大逃げを打つ。後続のネオユニヴァース、ゼンノロブロイ、リンカーンは互いにけん制しあって動けない。直線ではゼンノロブロイに7馬身差をつけた。
12年 前哨戦の阪神大賞典で10着に大敗したビートブラックは単勝14番人気。スタートから同型ゴールデンハインドと相打つ逃げとなったが最終4角先頭から独走状態。後方の有力馬は1番人気オルフェーヴルをマークし明らかに仕掛けが遅れた。2着トーセンジョーダンに4馬身差。単勝1万5960円は天皇賞・春の最高配当記録。