【日本ダービー】武 3強ダービー崩す“縁”30度目祭典に挑む50歳
2019年05月22日 05:30
競馬
「ダービーは20、30、40代で勝っているし、50代でも勝ちたい。夢の一つ」
当初は騎乗馬なしのピンチだった。皐月賞で13着に敗れたファンタジストの次走がNHKマイルCに決まったことで、4月中旬に自身のブログで「現状、ダービーの騎乗馬がいなくなりました。ご指名をお待ちしております」と“恋人募集”。そこに騎乗オファーが届いたのがメイショウテンゲンだった。
「元号が令和になって最初のダービーがディープインパクト産駒で、馬主が“メイショウ”さんだから縁を感じる」
メイショウの冠名で知られる松本好雄オーナーは武豊の父・故邦彦氏と親交が深く、武家とは家族ぐるみの付き合いをしてきた。その絆があったからこそ、武豊の不遇の時代を支えた。10年に落馬事故によって長期戦線離脱。4カ月後に復帰を果たした武豊だったが、11、12年も成績が低迷。有力馬への騎乗依頼も次第に減少していく中で、松本オーナーから年間50鞍以上の騎乗依頼を受けた。
恩返しの気持ちは節目の勝利で体現してきた。JRA通算3900勝はメイショウヴォルガ、同4000勝もメイショウカズヒメで達成。16年の通算4000勝(地方、海外含む)もメイショウヤクシマ、そして50歳JRA重賞初勝利もメイショウテッコン(G2日経賞)だった。
メイショウテンゲンは前走・皐月賞で15着に大敗したことで、今回は伏兵の位置付けだが、重馬場をものともせずに弥生賞を制した実力は侮れない。そして、武豊のダービー5勝中2勝(スペシャルウィーク、ディープインパクト)が弥生賞優勝馬なのだ。
「お世話になっているメイショウさんの馬でダービーを勝つことができたら、もう最高でしょうね。ワクワクした気持ちでレースを迎えたい」
再びの節目。波乱の主役となるべく、レジェンドの視線は一発を狙っている。