【日本ダービー】松山元調教師 SSの血に続き新時代は「より速くよりスリリングに」
2019年05月25日 05:30
競馬
軽くて速くてクッション性のある日本の馬場に特化したSS系の血統はスピード化を加速した。平成元年のダービータイム2分28秒8は昨年2分23秒6。「時計の進化が馬の進化だ。進化と淘汰(とうた)は一対というが、ダーウィンの進化論を資力、知識による血統の淘汰を繰り返しながら短期間に実現してきたんだ。遺伝の力を痛感した30年だった」
競馬が時代を映し出す鏡なら、令和のダービーが反映するのは…。高速モバイル通信の時代にふさわしい極限の瞬発力をAIでつくったスピードホースが競うのか。名伯楽は30年前の雑誌に代わって真新しいダービー特集号を広げると、こう続けた。「AIはともかく、どの馬もペガサスのように軽くてスピードがあるよな。無駄を省いて走ることに特化したサラブレッドがスリリングな新しい競馬をつくっていくだろう」
◆松山 康久(まつやま・やすひさ)1943年(昭18)9月4日生まれ、東京都出身の75歳。東京競馬場で開業する父・吉三郎師のもとで調教助手に。74年に調教師免許を取得し、76年に東京競馬場で開業。83年にミスターシービーで史上3頭目の3冠を達成。引退後の14年には中央競馬に多大な功績を残したとして顕彰者に選出された。JRA通算7700戦1001勝(重賞37勝、G1・7勝)。