アーモンドをさらなる高みへ…ルメールの技術、判断力、柔軟性

2019年11月01日 05:30

競馬

アーモンドをさらなる高みへ…ルメールの技術、判断力、柔軟性
今後の動向が注目されるルメールとアーモンドアイ(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 【競馬人生劇場・平松さとし】先週の天皇賞(秋)はクリストフ・ルメール騎手操るアーモンドアイ(牝4=国枝)が圧勝。昨年の年度代表馬として格の違いを見せつけたわけだが、ルメール騎手のイン突きも見る者をアッと言わせた。内枠ということで終始、前が壁になる競馬。どこを抜けるのか?と思って見ていたが、狭いところを割って出た。馬の能力はもちろんだが、鞍上の瞬時の判断力やどこでも真っすぐに走らせられるという自信や技術があってこその、かじ取りだったと言えよう。
 さて、週明け5日の火曜日にはメルボルンC(豪G1、フレミントン競馬場、芝3200メートル)が行われ、日本のメールドグラース(牡4=清水久)が出走。JRAでの馬券発売も決定した。開催される豪州ヴィクトリア州では“メルボルンCデー”という祝日になるほど社会に浸透した競走だが、この南半球最大のレースをルメール騎手は制したことがある。2011年のドゥーナデンだ。

 本来、騎乗予定の騎手が数日前のレースで審議対象となり、審議がその後も長引いていたため(海外ではよくあること)、乗れない可能性が出てきた。そのためルメール騎手に白羽の矢が立てられたのだ。彼が現地へ渡ったのはレース前日。この時点で「前任者が騎乗停止にならなかった場合、ルメール騎手はメルボルンCに乗れない」という状況だった。それでも一縷(いちる)の望みを懸けて海を越えた。すると、正式に前任者の騎乗停止が決定し、ルメール騎手が乗れることになったのだ。

 「レース前にはメルボルンCを勝ったことのある元騎手とコースを歩き、仕掛けどころやコース取りなどのアドバイスをもらいました」。そしてレースでは寸分の狂いもなくその通りに乗ることができたのだという。結果、ルメール騎手のドゥーナデンは先頭でゴールに飛び込むわけだが、2着レッドカドーとの差はわずかにハナ。アドバイスを聞いていなかったら負けていても不思議ではなかったのだ。

 さて、メールドグラースはメルボルンCでどんな競馬を見せるのか。また、天皇賞を勝ったアーモンドアイはこの後、どんな路線に進み、ルメール騎手はどういうパフォーマンスを見せてくれるのか。どちらも楽しみにしたい。(フリーライター)

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