【ジャパンC】栗東初登場!デットーリ狂想曲 ルック9番枠決定も「関係ない」
2019年11月22日 05:30
競馬
デットーリの歩くところ、人が群がる。だが、嫌な顔ひとつ見せない。横で付きっきりなのは同じイタリア出身のM・デムーロだ。「ボクは通訳です」とニヤリ。滞在中のデットーリはミルコの自宅で寝泊まりする。来日初日の20日夜は食事を共にした。「昨日はお寿司。(デットーリは)本当にたくさん食べていた」。デムーロがイタリアでの騎手見習いだった頃、既に“伝説”だった大先輩。堂々たるダービージョッキーが若手のように汗をかいて必死にエスコートした。
身元引受人の藤原英師も来日を待ち望んでいた一人だ。この日はチャレンジC(30日、阪神)でコンビを組むギベオン(牡4)の調教を依頼。デットーリが背にいる愛馬をうれしそうに見つめた。「彼はスーパースターで競馬の象徴。関係者の目を見たら、どれだけ凄いジョッキーか分かるでしょう。子供の頃から彼の活躍を見ながら育ってきた人ばかり」。ジャパンCのルックトゥワイス騎乗への期待も当然大きい。「彼は展開をハメてくれる。馬もここに照準を合わせているから状態が悪いわけがない」。いつもは冷静な指揮官だが口調は熱かった。
決まった枠は9番。伝え聞いたデットーリは「東京は何回も乗っているし凄くいいコース。もう番号は変えられないんでしょう?(笑い)。どこでも関係ないですよ」と意に介さず。もっと質問に答えようかという雰囲気を漂わせたが、横からデムーロが「彼は疲れているからもういいでしょう」と、まるで芸能マネジャーのように取材を制止した。
生ける伝説でありながら人懐っこく、取材にも最大限応じる。誰もが魅了される理由が見えた。有馬記念騎乗まで希望する競馬史上最強の騎手。“フランキー狂想曲”は、しばらく鳴りやみそうにない。
▼スミヨン ラムタラで制した凱旋門賞(95年)は自分がまだデビューする前。その姿を見て憧れた。まだ一線級で活躍しているパワーが凄い。日本で一緒に乗れることは本当にうれしい。
▼庄野師(ライバルの1頭スワーヴリチャードを管理)こんな豪華な騎手がそろうレースはもうないんじゃないか。それだけでワクワクします。
▼松岡 追っているというより、馬を押して動かしているように感じる。それくらいパワフル。常歩(なみあし)の時から乗っている姿がさまになっている。ステージが違う、別格と感じる数少ない騎手。