騎手から調教師へ 坂井師の変わらぬ「大井愛」
2019年12月06日 05:30
競馬
その時は熱い口調の中にも、冷静に自己を分析。人生設計を立てるところ同様に、馬づくりもそうやっていくのだろうな、と感じた。そして先月14日に、その吉報がやってきた。2度目の受験。「勉強が嫌いな俺がめちゃくちゃ勉強した」のが実った。今後は開業まで大井・藤田厩舎の臨場業務をこなしながら研修にも行って態勢を整える。「藤田厩舎はリーディング上位で学ぶことがたくさんある。もちろん外にも出てたくさん見聞を広めるつもり」と意欲がみなぎる。
騎手として「馬は一人でつくれない」が口癖だった。調教師、厩務員に敬意を持って接し、自分はレースでより良い結果を出す。その気持ちで乗ってきた。「騎手として悔いはたくさんある。それを調教師として一つずつかなえていきたい。父が厩務員ということもあるが、スタッフを大切にする厩舎。チームワークでいい馬を育て、もっともっと大井競馬を盛り上げたい」。どこまでも「大井愛」にあふれた熱血漢が研鑽(けんさん)を積み、立場を変え、ひと回り大きくなって戻ってくるつもりだ。