【新春インタビュー】菜七子 憧れから“目標”に!いざG1初制覇へ「一生懸命であり続けたい」
2020年01月01日 05:30
競馬
19年の菜七子を語る上で切り離せないのがコパノキッキングとの出合いだ。馬主であるDr.コパこと小林祥晃氏(72)が「菜七子に重賞を勝たせる」と宣言し、実力馬キッキングの鞍上に菜七子を指名した。そのコンビ初戦が2月、G1・フェブラリーS。菜七子にとって初のG1騎乗だった。「19年で一番印象に残っているレースはフェブラリーSです。騎手になる前からずっと憧れていたG1の舞台。初めて乗せていただいて、普段とは違う景色が見えました」。惜しくも5着に敗れたが、その後、人馬は10月に東京盃(大井)、12月にカペラSを勝利。「ずっと乗せ続けてくださったオーナーの馬で重賞を勝てて、ほんの少しですが、恩返しができたのかなと思います」。歓喜の瞬間を思い出すと思わず笑みがこぼれた。
11月にはキッキングと2度目のG1挑戦となったJBCスプリント(浦和)で2着惜敗。憧れにすぎなかったG1への思いも変化した。「騎乗させていただいて、G1とはどういうものか、じかに感じることができました。もちろん大レースを勝ちたいと思って騎手を目指したのですが、デビュー当初より、今の方がG1を勝ちたい気持ちが大きくなっています」。憧れは目標に変わった。
色紙に記した20年の抱負は「成長」。「19年はたくさんの馬に乗せていただき、海外でも騎乗する機会があって本当に勉強になった一年でした。経験を積むことが成長につながっていると思います。でも、まだまだ未熟なので、どんどん成長していきたいです」と力強く語った。
あと1勝で見習騎手卒業。減量恩恵が▲(3キロ減)から◇(2キロ減)になる。若手騎手にとってはここからが“本当の勝負”となるが、「減量が変わっても気持ちに変化はありません。目の前の1勝をつかむために、一生懸命であり続けたいです」とやることは変わらない。「次の1勝を積み重ねていって、19年よりもたくさん数を勝ちたいです。その中で大きなレースも勝つことができれば」。G1制覇も夢物語ではない。日本競馬の歴史に新たなページをつむぎ続けるなでしこジョッキーから今年も目が離せない。