【下鴨S】11歳ルパン100戦目 16年ぶり8頭目の金字塔

2020年05月01日 05:30

競馬

【下鴨S】11歳ルパン100戦目 16年ぶり8頭目の金字塔
今週、100戦目を迎える予定のスズカルパンと(左から)花田助手、高橋一厩務員、西橋調教師 (撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 まさしく“無事是(これ)名馬”だ。スズカルパン(牡11=西橋)が京都土曜10Rの下鴨SでJRA通算100戦目に挑む。ディープブリランテやゴールドシップ、ジャスタウェイといった“同級生”の産駒がターフを駆ける中、デビュー10年目を迎えても現役を続ける大ベテラン。無事出走すれば04年4月に達成したハートランドヒリュ以来16年ぶり8頭目の偉業となる。
 競走馬も早く結果が求められるようになった昨今、現役の高齢馬は減るばかり。そんな中、11歳になっても走り続けるスズカルパンは異色の存在だ。秘けつは何か。最も近い場所で9年近くを過ごしてきた担当の高橋一厩務員(41)は「最初はこんなに走れるとは思ってなかったですからね」と首をひねり、少し間を置いてから切り出した。

 「環境の変化に弱い馬なので、なるべく変わったことはしないように心掛けました。調教はほとんどが角馬場からCWコースのパターン。東京に輸送して体が14キロも減ったことがあったので、ほぼ当日輸送しかしてません。環境を変えないという意味で、ほとんど放牧にも出しませんでした」

 99戦のうち、栗東から最も近い京都で最多50戦、実に96戦が当日輸送の競馬。陣営が“ルパン・ファースト”を貫いてきた証だ。

 高橋厩務員は周囲の支えに深く感謝する。自分の意見に耳を傾け、思い通りにやらせてくれた西橋師。日々の調教にまたがった和泉助手。誰一人欠けても今のルパンはなかった。

 「それと、この馬の最大の弱点は爪なんです。特に左前脚。鉄屋さん(装蹄師)は大変だったと思いますよ。爪に効くサプリをもらったりもしましたね」

 脚元を考慮して、この中間は坂路での調整に変更。29日に最終追いを終えた。できる限りのケアを施し、あとはレースを待つのみ。

 「ルパンの隠れファンが結構いるみたいなんです。だから、本当はお客さんのいるところで走らせたかったですね。でも、コロナで競馬が中止になったら引退かも…と思ってましたし、競馬があるだけでも良かったです」

 一人一人が力を合わせて、諦めずに頑張れば道は開ける。コロナ禍の今、金字塔を打ち立てようとしている“チーム・ルパン”からのメッセージを、しっかりと受け止めたい。

 【○○】スズカルパンの全99戦での走破距離は芝41戦で83キロ、ダート58戦で103・7キロで、合計186・7キロ。これは東海道新幹線で東京から西に向かうと静岡あたりとなる。また、走行時間は3時間12分49秒5。新幹線のぞみで東京から西に向かうと岡山に到着する時間となる。

 ◆スズカルパン 父スズカマンボ 母ルンルンスズカ(母の父ラムタラ)牡11歳 栗東・西橋厩舎所属 馬主・永井宏明氏 生産者・北海道新ひだか町の岡野牧場 戦績99戦4勝(芝41戦1勝、ダート58戦3勝) 総獲得賞金1億5888万円。

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