【日本ダービー】福永 別格コントレイルで2度目V!無観客スタンドの向こう全国のファンへ感謝の一礼
2020年06月01日 05:30
競馬
中団から運んだ皐月賞から一転、好位3番手を確保した。「スタートから少し出して行った。行きたがる不安はあったが、引けばポジションを下げてしまう。(先行有利な)馬場の傾向も考え、こういう形になった」。向正面、緩いペースを嫌ったマイラプソディが外をまくって進出したが「そういうことも想定していた。焦りはなかった」。3~4角の勝負どころでは、先行集団がつくり出したスペースを取り切った。「あそこでうまく位置を切り替えられたのがポイントだった」。あとは直線で追いだすだけ。「後ろは気にならなかった」。3馬身差。愛馬の力を信じた騎乗に、後続はなすすべなく敗れた。
18年ワグネリアン以来のダービー2勝目。5番人気だった前回Vとは違い、今回は無敗2冠が懸かった断然人気。「いい緊張感があった。横隔膜がヒクつくような…」。プレッシャーはあったが、これが21回目のダービー騎乗。「素晴らしい馬に乗せてもらい、失敗もしてきた。いろいろな経験が自分の血となり骨となった。負けた事実は取り戻せないが、同じ失敗を繰り返さないよう。今回はそれが生きた」。キングヘイロー(98年14着)、ワールドエース(12年4着)、エピファネイア(13年2着)。人気馬で味わった屈辱は、決して無駄ではなかった。
「こういう馬に巡り合えて感謝しています」。涙に濡れたワグネリアンの初制覇とは違い、笑顔で祝福に応えた福永。日本競馬を背負って立つ男がまた一つ、大きな経験と自信を手にした。
◆福永 祐一(ふくなが・ゆういち)1976年(昭51)12月9日生まれ、滋賀県栗東市出身の43歳。父は福永洋一元騎手。96年3月2日の中京2Rで初騎乗初勝利。JRA通算1万7681戦2303勝(G127勝)。1メートル60、52キロ。血液型B。元フジテレビアナウンサーの松尾(旧姓)翠夫人との間に1男2女。