【神戸新聞杯】コントレイル絶妙51秒6!菊へ余地残しつつ前哨戦クリアへ
2020年09月24日 05:30
競馬
「言うことなし。先週とは打って変わって気合乗りが違っていたし、仕上がったなと感じました。52秒台の指示だったけど、見ての通り無理をしなくていい時計も出た。万全とは言えないけど、かなりいい状態でレースに使えますね」
手綱を取った金羅(きんら)助手も「気持ち速かったけど、無理はしていない。目いっぱいではないから、まだ良くなりそうな雰囲気があります」と話しており、好調をアピールする中にも前哨戦仕様の仕上げという感触がにじむ。
父ディープインパクトは無敗で05年神戸新聞杯に臨んで完勝。その勢いで菊花賞を圧勝してシンボリルドルフに次ぐ史上2頭目の無敗3冠馬となった。かつてそのディープ陣営が“3冠達成までに最も緊張したレースは?”と問われて返ってきたのが神戸新聞杯。目標ではないが負けられない。その位置づけの微妙さゆえだろうか。
ただ、福永は無敗に対して構えた態度を取らない。「できれば無敗でいきたいけど、それが目的ではないから」。周囲が騒ぐのは仕方ないとばかり、サラリとかわす。
矢作師にしてもそうだ。6戦目で初の中京参戦。不安はないか?重箱の隅をつつくような質問にも笑みを含ませて答える。「コースや距離は初めてになりますが、全く気にしていません。メンバーもそろっていますが、ここで結果を出して次につなげたい」。父ディープの神戸新聞杯の時にあった張り詰めた空気も、思い詰めた表情もない。ディープから15年。朗らかな陣営の対応は、時代の違いか、世代の違いか――。
【コントレイルの追い切りVTR】
▼ホープフルS 助手騎乗で坂路を単走馬なりで4F52秒1~1F12秒3。矢作師は「息を整える程度。弾むような動きだった」と納得の表情を浮かべた。レースは先行策からあっさり抜け出し、直線で遊びながら余裕の圧勝。無敗戴冠で大物誕生を印象づけた。
▼皐月賞 ぶっつけで挑む大一番の最終追いは助手を背に坂路単走で4F52秒9~1F12秒4。余裕の手応えに矢作師の採点は“100点満点”。「折り合い、反応ともに非常に良かった」と話した。無観客で行われたレースは後方待機から4角大外ぶん回しの大胆策。先に抜けたサリオスを半馬身かわしきり、無敗2歳王者対決を制した。
▼ダービー これまで同様、助手を背に坂路での単走追い。4F52秒6~1F12秒4の“普段着”の調整に、矢作師は「想定通り。真っすぐと駆け上がってきた」と目を細めた。レースでは皐月賞とは打って変わって1角3番手の先行策。直線半ばで抜け出し圧勝した。