ナカノコール呼んだ思い切りと奇跡
2020年09月25日 05:30
競馬
見事な逃げ切り勝ちだったわけだが、のちに中野調教師に話をうかがうと面白い事実が判明した。アイネスフウジンはダービーの前に皐月賞(G1)に出走。ハクタイセイの2着に敗れていた。当時を振り返り、中野調教師は言った。「皐月賞はスタート直後に他の馬に寄られて逃げられませんでした。でも先手を取れなかったこと自体より、番手で妙に折り合ってしまったのが敗因だと思いました。だからダービーは少々掛かっても良いから行かせようと考えていました」
しかし、そのダービーもスタートで少しひるんだと言う。「ところがそこで奇跡が起きました。12番枠だったのですが、これがちょうどゲートの継ぎ目にあたる部分で隣の11番の馬と間隔があったんです」。そのため他の馬に惑わされることなくリカバリー。先手を取れたことで皐月賞馬ハクタイセイに雪辱。優勝できたと笑って語った。
中野調教師は今週末のオールカマーにサンアップルトンを出走させる。前走の日経賞ではミッキースワローの後塵(こうじん)を拝したが、アイネスフウジン同様、逆転があるかもしれない。 (フリーライター)