【秋華賞】デアリングタクト・池水助手気負いなし 一歩引いたところから見守る伝説
2020年10月15日 05:30
競馬
16年に転機が訪れる。日吉厩舎の解散に伴い、杉山晴厩舎のスタッフに。新進気鋭のトレーナーに導かれ、厩舎は開業2年目から勝ち星を量産した。
そしてデアリングタクトが出現する。あれよあれよという間にクラシック2冠を含む4戦4勝。後世に残る伝説を描き続ける途中だが、池水助手には驚くほど気負いがない。「秋を迎えて体も大きくなって力強さが出てきた。春はいい馬だなとは全然思わなかったんですよ。ただ、帰ってきてからは“いい馬だな”と。成長を感じますね」。担当馬に接近しすぎず、一歩引いて様子を観察している。そんなイメージ。2冠馬との適度な距離感がプレッシャーとうまく付き合う秘けつかもしれない。
トレセンを離れれば、昨年誕生した娘・凛ちゃんが日々の癒やしになっている。「(秋華賞まで)長いですね。早くレースが来てほしい」。最後にちょっとだけプレッシャーが顔をのぞかせた。
◆池水 健児(いけみず・けんじ)1983年(昭58)9月6日生まれ、愛知県出身の37歳。名城大卒業後、北海道浦河町の三嶋牧場を経てJRA競馬学校へ。12年、栗東・梅内厩舎。16年、日吉厩舎の解散に伴い、新規開業の杉山晴厩舎へ。