“今度こそ”福永×矢作師の悲願
2020年10月23日 05:30
競馬
これを複雑な心境で見たのが福永騎手だった。リアルスティールはそれまで日本国内で8戦2勝。日本ダービー(G1)の4着など、その8戦全てで手綱を取っていたのが彼だった。なかなか手の届かなかったG1を初騎乗のムーア騎手にあっさり勝たれた。少なからずプライドが傷ついたであろうことは、想像に難くない。
さて、そんな福永騎手は今週末に行われる菊花賞(G1)でディープインパクト産駒のコントレイルに騎乗する。デビュー以来ここまで6戦して負け知らず。春には皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)を勝っており、父子2代での無敗の3冠制覇という偉業がかかる。福永騎手はこの馬の6戦中5戦で騎乗しているが、唯一乗れなかったレースで手綱を取ったのがムーア騎手。リアルスティールでドバイターフを勝ったあのムーア騎手だ。そう、コントレイルはリアルスティールと同じ矢作調教師の管理馬だから、このようなことが起きても不思議ではないのである。
ちなみにリアルスティールは福永騎手が乗った菊花賞では2着に敗れている。矢作調教師と福永騎手は、さまざまな思いを持ってコントレイルの3冠制覇に臨むことだろう。応援したい。
(フリーライター)