【エリザベス女王杯】サムシングジャスト当たり年!名伯楽・松田師が送り込むド根性娘
2020年11月11日 05:30
競馬
3歳春以来、久々の重賞に臨んだ2走前のクイーンSは9着大敗。壁に当たったかと見せて、前走・府中牝馬Sで3着に好走した。
「前走は松山君が勝ちに行く競馬をしてくれました。馬場が悪い中、内を突いて良く伸びたと思います」
松田師は重賞でも引けを取らない内容を評価した。タニノギムレット、キングカメハメハと2頭のダービー馬に代表される数々の名馬を育てた名伯楽は、21年2月末の定年を前にして今年から「火曜追い」を導入。追い切る馬が少ない左回りCWコースでの追い切りを、報道陣を含めて多くの目が注視する。6F86秒台と馬なりながらはつらつとした動き。500キロ以上ある馬体は相変わらずの存在感を示す。この動きの良さなら…と色めき立つ報道陣に、トレーナーの表情が誇らしげ。
「今朝は良太(=鮫島良、レースは松山)が乗って拳が上がらなかったでしょう。引っ張らなくても抑えが利く。トモに力が付いてきたということです」
手綱を持つ位置が変わらない。折り合いがついて、後ろ脚の推進力も強い状態。「前走を使った後も体にむくみがなくて、(調教に入る)立ち上げも楽でした。動きもパワフルでしょう」と頬を緩ませる。ゆっくり強くなった4歳馬の強みはこれだ。体が出来上がっているから、レースの反動もなく調教が身になる。まだ小娘の3歳馬や、“とうが立ってきた”5歳以上ではこうはいかない。
精神面で「闘争心がめちゃくちゃ強い」と勝負根性をむき出しにするのも身体の充実あってこそ。阪神内回り2200メートルでタイトに周回し内で脚をため、狭い間隙(かんげき)に突っ込む。そこを切り裂ける勝負根性と瞬発力を備えているのがサムシングジャスト。この条件ならではの“ちょうどいいもの”だ。