【マイルCS】グランアレグリア 春秋マイル頂点へ“完成の域” 馬なり1F11秒7で藤沢和師が太鼓判
2020年11月19日 05:30
競馬
藤沢和師も満足そうだ。「1回レースを使っているし、強いのは必要ない。前の馬も一生懸命に走っていたのでいい感じの併せ馬ができた。2歳の頃と比べると調整しやすくなった。穏やかで力みがなくなり、随分古馬らしくなってきた」
1200メートル2度目の挑戦となった前走・スプリンターズSは12キロ増で504キロの最高体重。18年6月東京新馬戦(1着=458キロ)と比べると、50キロ近くも増えた計算。筋肉ムキムキ。どっしりとした後肢の厚み。前走・スプリンターズSは最終4コーナー15番手から強烈な一気差しでG1・3勝目。「速くて、ついて行けなくてヒヤヒヤしたけど結果的に速い流れで良かった。しまいもしっかりしていた」。師も驚嘆した鬼脚だった。
例年の京都から舞台替わりとなった阪神1600メートルは桜花賞でG1初制覇。3歳暮れの阪神カップ(1400メートル)は5馬身圧勝。「(06年に)コースを改修した後の阪神マイルは枠順の不利もなく、フェアで素晴らしいコースになった。何度か勝たせてもらっているのでいいと思う」と歓迎している。
JRA・G1・31勝を数える師にとって、マイルCSは93年シンコウラブリイでG1初制覇を飾ったメモリアルレース。97、98年連覇のタイキシャトル、01年ゼンノエルシドで計4勝。G1・31勝中15勝が1600メートル。誰よりマイルG1を勝つ意義を感じている。「マイルのG1が整備されてレースも増え、何世代もの馬が集まってくる。朝日杯や阪神JFを勝った馬もいれば、桜花賞やNHKマイルCを勝った馬もいる、その中で勝ち抜くのは簡単なことではない」
中でも今春、安田記念でアーモンドアイを一蹴したアレグリアはひときわ輝いている。史上8頭目の春秋マイルG1同一年制覇をはじめ、記録ずくめの大一番。指揮官は「順調に来ているので楽しみ」と笑顔で結び、名手ルメールにバトンを渡した。
≪“記録ずくめ”Vだ≫グランアレグリアが安田記念とマイルCSの双方制覇を達成なら史上12頭目。同一年の達成は昨年インディチャンプに続く2年連続8頭目となる。同一年のスプリンターズSとマイルCS制覇なら03年デュランダル以来、17年ぶり。マイルCS歴代最多4勝の藤沢和師がJRA同一G1・5勝目を飾れば、自身の天皇賞・秋の6勝に続き、グレード制導入の84年以降では2例目となる。