【有馬記念】北村友 クロノと人馬一体 全13戦に騎乗した相棒と初の有馬制し「いいイメージで乗れた」
2020年12月28日 05:30
競馬
意外にも北村友はデビュー15年目で、有馬記念は初騎乗。同じ中山芝2500メートルで行われた土曜12RのグレイトフルS(5着)、日曜8Rのグッドラックハンデ(1着)に騎乗して、しっかり予行演習を済ませていた。「昨日も、今日も乗せていただいた。おかげでいいイメージで乗れました」と感謝の弁。有馬記念初騎乗で勝利したのは、昨年のレーンに続いて9人目となった。
乗り替わりが当たり前の時代。特に外国人騎手が短期免許で来日する昨今では、日本人騎手がG1級の馬とコンビを組み続けることはまれだ。北村友はレースだけでなく、最終追いにも全てまたがった。それだけ丁寧にコミュニケーションを取って、クロノジェネシスとの関係を深めた。戦前、北村友は「この馬のバランス、いいリズムは持っているつもり。それを乱さないようにしたい」と語っていたが、まさに有言実行。4歳での乗り替わりなしでの有馬記念Vは、00年以降ではディープインパクト&武豊(06年)などに次いでわずか4例目。歴史に残る名コンビと言っていい。
今年は騎乗停止などがあり、勝ち星が伸び悩んだ。宝塚記念優勝後も「上半期の勝ち星が少なかった。歯がゆい思いをしていた」とコメント。だが最後は固い絆で結ばれたパートナーと最高の形で締めくくった。「いい締めくくりができた。来年は年明けからいいスタートを切りたい」。現役最強牝馬となったクロノジェネシス。そのパートナーとしてふさわしい男になるために――。北村友はさらなる飛躍を誓った。
◇北村 友一(きたむら・ゆういち)1986年(昭61)10月3日生まれ、滋賀県出身の34歳。06年3月4日ソリッドスウィートで初騎乗。同3月19日ゴッドヘイローで初勝利。JRA通算9297戦791勝(重賞25勝)。1メートル64、51キロ。血液型A。