【有馬記念】クロノジェネシス 11頭目のGP連覇!まさに“牝馬イヤー”史上初ワンツー締め
2020年12月28日 05:30
競馬
堂々と戦った。道中は中団後方を追走。ラスト3角で外を駆け上がると、強力牡馬フィエールマンに馬体を併せる。最大の武器はそのスタミナ。なたの切れ味、芦毛の馬体は同じく有馬記念を制したオグリキャップ、ゴールドシップを思い起こさせる。じわじわと前に出ると、最後はサラキアを首差しのいだ。北村友は「折り合いもスムーズで、いつものクロノという走りができた。差されるとは全く思ってなかった」と笑顔で振り返った。
今年の中央競馬はまさに牝馬の年だった。グレード制導入の84年以降で最多となる古馬の牡牝混合芝G1・10戦9勝。アーモンドアイが史上最多芝G1・9勝、デアリングタクトは史上初の無敗牝馬3冠と歴史的偉業も生まれた。その中で昨年リスグラシューに続く「同一年の宝塚記念&有馬記念制覇」を成し遂げたクロノ。斉藤崇史師(38)は「体重が増えても太め感はなかったし、精神的に凄く成長してくれた。厩舎の力ではなく、馬が毎回凄く頑張ってくれる」と愛馬をねぎらった。
歴代最多21万4742票のファン投票1位に応え、来年は新女王としての戦いが待っている。北村友は「未対戦の3冠2頭がいるが、この馬が引っ張っていくつもりで譲りたくない」とコントレイル&デアリングタクトを意識。また、同馬を生産したノーザンファームの吉田勝己代表(72)は「凱旋門賞(パリロンシャン)の目もあるかな」と父バゴが04年に制したビッグレースの名を挙げた。
コロナ下でも全日程を行った中央競馬。師は「来年も何回も競馬場に連れて行こうと思います。また応援をお願いします」とファンとの再会を約束する。激動の年に生まれた数々の忘れられないドラマ。その中心にはたくましい牝馬たちがいた。
◆クロノジェネシス 父バゴ 母クロノロジスト(母の父クロフネ)16年3月6日生まれ 牝4歳 栗東・斉藤崇厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績13戦7勝(重賞5勝) 総獲得賞金8億7342万円。馬名の由来は母名+創世記。