【ダービー】“天才騎手”武豊と交差する池江師のトップトレーナーロード
2021年05月28日 05:30
競馬
「保育園、幼稚園、小学校では5、6年と同じクラスだったはずです。乗馬も一緒にやっていました」
当時の池江少年は騎手を目指していた。中学になると乗馬クラブは3つの班に分けられ、池江少年と武少年はいずれも班長に選ばれ活躍したという。そんな当時、現在の天才騎手に感心させられたことがあったと池江師は語る。
「“中京の何メートル戦なら仕掛けどころはどこどこだ”なんて話をしていました。凄いなあ、と思ったのを覚えています」
そんな中学の時、池江少年は1年間に14センチも身長が伸び、騎手を諦めざるを得なくなった。そして、調教師を目指すのだが、そのためにも高校、大学と進学。学生時代は飲食店や時代劇のエキストラなど、さまざまなアルバイトをした。同じ頃、デビューを果たした武豊騎手は華々しい活躍をして一気にスターとなり、世間に名を知られる存在となっていた。
ある日、競馬場で放馬止めのロープを張るアルバイトをしていた池江青年は、武豊騎手に馬上から声を掛けられた。
「“あれ?何しているの?”と言われました」
当時は「ユタカは夢をかなえているのに自分は何をしているんだろう?」と悔しい思いをしたという。
しかし、そこで投げ出すようなマネはしなかった。英国へ留学するなど、調教師へ向かってまい進。トレセン入り後、2003年に調教師免許を取得すると、11年にはオルフェーヴルでダービーを制覇。リーディングも獲得して押しも押されもしないトップトレーナーになった。
そんな池江師が今年のダービーに送り込むのがディープモンスター。鞍上・武豊騎手との大仕事を期待しよう。(フリーライター)