【ダービー】“天才騎手”武豊と交差する池江師のトップトレーナーロード

2021年05月28日 05:30

競馬

【ダービー】“天才騎手”武豊と交差する池江師のトップトレーナーロード
池江師のダービー成績 Photo By スポニチ
 【競馬人生劇場・平松さとし】1969年1月生まれで現在52歳の池江泰寿調教師。父が元騎手で元調教師でもある池江泰郎氏ということもあり、いわゆる厩(うまや)育ちだった。
 同じ環境で育ったのが武豊騎手だ。父はやはり元騎手で元調教師の武邦彦氏(故人)。池江師とは年齢も同じだった。池江師は言う。

 「保育園、幼稚園、小学校では5、6年と同じクラスだったはずです。乗馬も一緒にやっていました」

 当時の池江少年は騎手を目指していた。中学になると乗馬クラブは3つの班に分けられ、池江少年と武少年はいずれも班長に選ばれ活躍したという。そんな当時、現在の天才騎手に感心させられたことがあったと池江師は語る。

 「“中京の何メートル戦なら仕掛けどころはどこどこだ”なんて話をしていました。凄いなあ、と思ったのを覚えています」

 そんな中学の時、池江少年は1年間に14センチも身長が伸び、騎手を諦めざるを得なくなった。そして、調教師を目指すのだが、そのためにも高校、大学と進学。学生時代は飲食店や時代劇のエキストラなど、さまざまなアルバイトをした。同じ頃、デビューを果たした武豊騎手は華々しい活躍をして一気にスターとなり、世間に名を知られる存在となっていた。

 ある日、競馬場で放馬止めのロープを張るアルバイトをしていた池江青年は、武豊騎手に馬上から声を掛けられた。

 「“あれ?何しているの?”と言われました」

 当時は「ユタカは夢をかなえているのに自分は何をしているんだろう?」と悔しい思いをしたという。

 しかし、そこで投げ出すようなマネはしなかった。英国へ留学するなど、調教師へ向かってまい進。トレセン入り後、2003年に調教師免許を取得すると、11年にはオルフェーヴルでダービーを制覇。リーディングも獲得して押しも押されもしないトップトレーナーになった。

 そんな池江師が今年のダービーに送り込むのがディープモンスター。鞍上・武豊騎手との大仕事を期待しよう。(フリーライター)

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