80年代に欧州、豪州へ飛んだ柴田政人
2021年07月16日 05:30
競馬
そんな88年、ジャパンCに挑戦した英国馬シェイディハイツに騎乗(14着)。柴田氏はその経緯を「以前、英国へ行った際に縁ができた厩舎だったので乗せてもらえました」と語った。さらに翌89年の夏には英国に約1カ月滞在。今から32年も前の話なので時代の先取り感は半端ではない。「シェイク・モハメドの馬に日本人としては多分、初めて乗せてもらえたのもこの時でした」
さらにアサティスに騎乗してキングジョージ6世&クイーンエリザベスSに挑戦する機会も得た。「アスコットの2400メートルはスタート後、しばらく下り坂のため、なかなかハミを取りませんでした。その後はジリジリと上がっていったけど結局、追い込み切れませんでした」
結果は3着。当時の話をうかがったのは今から8年ほど前。つまり騎乗してからは干支(えと)が二回りほどしてからだが、それでも勝負師として唇をかみながら次のように語った。「あそこまでいったら勝ちたかったです。今、考えても残念でなりません」
話は変わるが、この7月4日、フランスで行われたサンクルー大賞(G1)を制したのはブルーム。キーファーズの松島正昭代表が共同馬主の馬だ。これでジャパンCの出走権を得た同馬は、その前に凱旋門賞(G1)を使うことが有力。鞍上は武豊騎手になるだろう。MLBの大谷翔平選手ではないが、日本人騎手が海の向こうで活躍する姿は昔も今も変わらず誇らしい。コロナ騒動が収束した日には、多くの挑戦者が出てくることを願いたい。(フリーライター)