【毎日王冠】シュネルマイスター ケア十分&強い負荷の調教で先月重賞3勝、手塚旋風乗る
2021年10月04日 05:30
競馬
「重賞を1カ月に3つ勝てた理由?どうしてですかね。9月は僕の誕生月だからかな(笑い)」。年間でもJRA重賞6勝を挙げて全国トップに立つ手塚師は笑みを浮かべるが、快進撃の理由はその調教法にありそうだ。Wコースの外々を回り、ラスト1F11秒台で上がる…。Wコースが幅員の最も広いDコース(20~30メートル)に移設された19年秋以降、手塚厩舎所属馬の多くにはそんなハードな追い切りメニューが課されている。十全にケアを施した上で強い負荷をかけて鍛え抜く調教だ。「そう言ってもらえるとありがたい。確かに(多くの馬が)追い切りのゴール後はアップアップしてます。でも、馬の質が大きいと思う。強い負荷をかけてもへこたれない体力のある馬が入ってくるようになった。スタッフの技術が上がったこともある」と続けた。
安田記念(3着)以来の復帰戦となるシュネルマイスターもWコースで手塚流のハードな調教をこなしてきた。9月22日の2週前追い切りでは大外を回ってラスト1F11秒6(馬なり)。1週前追い切りでは10馬身近く先行したココロノトウダイの外々を回ってラスト11秒4(いっぱい)。「調教を重ねるごとに良くなる馬。このひと追いで体調が上がってくるでしょう」と同師。「ひと夏越しても体はあまり増えてこないが、思いのほか落ち着いている。この雰囲気なら1800メートルも大丈夫でしょう」と精神面の成長に手応えをふくらませた。
秋の目標はNHKマイルCに続くG1タイトルが懸かるマイルCS(11月21日、阪神)。「重量56キロなら古馬相手でもいいレースになるとは思うが、ここは内容重視でいきたい」と語るが、9月の誕生月が過ぎても追い風はやみそうもない。「スピードの名人」をその名の通りスピードに乗せるのは10月の“手塚旋風”だ。
《古馬代表格はダノンキングリー》秋の東京開幕を飾る日曜メインは伝統の「第72回毎日王冠」。天皇賞・秋やマイルCSなどG1戦線を見据える強豪が集結した。注目は3歳馬シュネルマイスターだ。今春NHKマイルCでG1初制覇を飾ると、続く古馬相手の安田記念では3着健闘。ひと夏を越してさらに成長が見込める上、東京にも好実績。古馬陣を圧倒し、さらなる飛躍につなげるか。その安田記念でG1初制覇を飾ったダノンキングリーが古馬代表格。毎日王冠は2年前に勝った好相性レース。重賞5勝目の期待が膨らむ。ヴァンドギャルドはドバイターフで2着快走。東京は昨秋富士Sで重賞初Vを飾った舞台で帰国初戦でも侮れない。末脚切れるケイデンスコール、今夏活躍したトーラスジェミニの先行力も開幕週で注目。