【凱旋門賞】クロノジェネシスでも夢かなわず 無念7着、残り200メートルで止まった…
2021年10月04日 05:30
競馬
マーフィーは序盤の運びについて「(15年Vデットーリ騎乗の)ゴールデンホーンがあのルートを取ったので」と説明。「徐々にいいポジションを取ろうとした。道中はいい感じで直線でもいい感じだったが、そこから加速がなかった」と振り返った。その原因は「日本とは重馬場が違う」と馬場の違いに原因を求める。「状態は本当に良かった。チームの皆さんはとてもいい仕事をした。夢を見させてもらった。レースのほとんどの部分は夢がかなうレースができた」と陣営に敬意を表した。
前日からの雨で水が浮いたパリロンシャンのターフ。6馬身差Vの20年宝塚記念など、やや重~重で4戦4勝のクロノをしてもあまりにタフなコンディションとなった。レース前、同馬を所有するサンデーレーシングの吉田俊介代表が「日本では重たい馬場で凄いパフォーマンスを見せてくれたが、向こうの重馬場はまた全く違うので」と不安視した悪条件となった。
新たなチャレンジだった。過去、凱旋門賞に挑んだ馬は1、2カ月前から日本を離れ、現地の前哨戦を走る馬も多い。だが、クロノは栗東で実質の最終追い切りを済ませ、レース9日前にフランスへ。斉藤崇師は「日本でいつも通りの調教場でいつも通りの調整ができて、ある程度仕上がった状態で連れて行けるのがいいと思って」とクロノの力を最大限に発揮できる過程を選んだ。一昨年、同クラブのフィエールマンは英国ニューマーケットでの滞在調整を選択。日本馬陣営の“凱旋門賞攻略”への歩みは今後も止まらない。
ディープインパクト、オルフェーヴルなど日本のエース馬たちが延べ27回散った凱旋門賞。今年も重き門をこじ開けることはできなかったが、グランプリ3連覇中の現役最強牝馬はどの馬よりも勇敢に戦った。