【有馬記念】北村友 騎乗かなわなかったクロノジェネシス…有終V信じ見守る「共に成長してきた」
2021年12月20日 05:30
競馬
「共に成長してきたいいパートナー。自分で感じている以上に多くの人に北村友=クロノジェネシス、クロノジェネシス=北村友と思ってもらえていました。もちろん応援しますし、いい結果が出ればと思っています」
デビューは18年9月の小倉。4番手から危なげなく抜け出し2馬身差の快勝だった。「本当に走るという感覚を得ました。器の大きさ、能力を感じました。先生(調教師)には“どこでも乗りに行きますので乗せてください”と話をしました」。その言葉通り、パートナーの手綱を離すことなく、今春はドバイ(シーマクラシック2着)でもコンビを組んだ。
鞍上がベストレースに挙げるのがG1初制覇へと導いた19年秋華賞。「人馬ともに凄く成長できました。勝ちを意識してきっちりと勝てたレースです」。人馬一体となり、着実にステップアップしていった。昨年の有馬記念はファン投票1位に応えてV。「向正面で自分から脚を使い、3、4角でギアを上げるレース。馬を信じる騎乗ができました」
今年のドバイ遠征がパートナーに騎乗した最後のレースに。落馬負傷により、宝塚記念は初めて手綱を他のジョッキーに渡すことになった。それまでのグランプリ2勝は中団から早めに動いて押し切る形だったが、新コンビのルメールは好位から抜け出す戦法でV。「新たなクロノジェネシスを見た思いでした。彼が選択したレース(ぶり)は僕にはできないレース。勉強になりました」と冷静に見守った。
デビューから騎乗した14戦は、北村友にとって、かけがえのない時間だった。「コンビを組んだ馬で、ここまで成長力を感じた馬は初めて。馬を信じることも学びました」。ラストラン当日は中山競馬場で行われる引退式に参加する。「感謝の気持ちを言葉にしたい。もちろん、産駒にも乗りたいです」。ベストパートナーの最後の走りを現地で見届ける。
《復帰「5、6月」》5月2日の阪神2Rで落馬し、休養中の北村友は復帰を目指してリハビリを続けている。「背骨がくっついていない箇所が1カ所あり、ボルトが入った状態」と説明。復帰の時期については「(来年の)5月か、6月くらいになりそうです」と見通しを語った。
◇北村 友一(きたむら・ゆういち)1986年(昭61)10月3日生まれ、滋賀県出身の35歳。06年3月4日ソリッドスウィートで初騎乗、同3月19日ゴッドヘイローで初勝利。19年大阪杯(アルアイン)でJRA・G1初制覇。JRA通算9478戦806勝(重賞27勝、うちG1・5勝)。1メートル64.5、51キロ。血液型A。