【皐月賞】福永ジオグリフ1冠!「かなり達成感ある」理想的差し切り、名手にまた一つ勲章
2022年04月18日 05:30
競馬
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勝負はほぼ前半で決した。「いいスタートを切るのが絶対条件だった」(福永)。パドック、返し馬でテンションの高かった相棒をするりとゲートから出した。向正面では折り合いをつけるべく、馬の後ろへ。何とイクイノックスの背後に収まった。何という理想的なポジション。4角でイクイノックスの外へ。同厩の強敵がアスクビクターモア、ダノンベルーガをかわし、力を出し切ったところで外から襲いかかり、これを捉えた。福永は「長く脚を使えるので4コーナーでエンジンを噴かせた。期待した通りの素晴らしいレースをしてくれた」と相棒を絶賛。だが、福永の描いたシナリオが完璧だったことは言うまでもない。
コントレイルとの3冠達成など、ますます円熟味を増す名手。プリモシーンなどの手綱も託してきた木村師は「関西のトップ騎手は、すなわち西のトップ厩舎とも関わっている。話の中で“向こうはそういう(高い)レベルでやっている”と突きつけられる。スタッフとも話をしてくれて、学ぶところが多い」。昨年の紫苑Sを制した木村厩舎のファインルージュは福永の助言で走りのバランスを矯正した。秋華賞2着は名手の貢献度が大きい。福永もこう語る。「優秀で熱心なスタッフがそろっている。(ジオグリフも)いいコミュニケーションを取った中で勝てた。それがうれしいし、楽しい」。本音でぶつかり高みを目指す。騎手・福永の喜び、やりがいが見えた気がした。
2冠を目指して次走はダービー。父がダート短距離で活躍したドレフォンだけに、福永は「距離は何とも言えない。この世代の牡馬はレベルが高いと思っているし、迎え撃つ立場とは違うと思う」と正直な気持ちを明かす。それでも気鋭の厩舎に名手の力添えがあれば…。きっと1カ月後の東京で堂々と主役を務めるはずだ。
◆ジオグリフ 父ドレフォン 母アロマティコ(母の父キングカメハメハ)19年2月25日生まれ 牡3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績5戦3勝(重賞2勝目) 総獲得賞金2億3581万4000円 馬名の由来は「地上絵」。祖母ナスカからの連想。
【皐月賞アラカルト】
☆騎手&調教師 福永のJRA・G1勝利はフェブラリーS(カフェファラオ)以来で今年2勝目、通算34勝目。木村師は18年マイルCS(ステルヴィオ)以来で通算2勝目。
☆種牡馬 ドレフォン産駒はJRA・G1延べ4頭の出走で初勝利。新種牡馬産駒の皐月賞制覇は18年エポカドーロ(父オルフェーヴル)以来で84年以降では7回目。
☆東西構図 昨年エフフォーリアに続き2年連続で関東馬の勝利。通算成績は関東馬42勝、関西馬40勝。