【マイラーズC】エアファンディタ 坂路で人馬一体ラスト12秒5!早期復帰の松山で必勝態勢

2022年04月21日 05:30

競馬

【マイラーズC】エアファンディタ 坂路で人馬一体ラスト12秒5!早期復帰の松山で必勝態勢
松山を背に坂路で追い切るエアファンディタ(撮影・亀井直樹) Photo By スポニチ
 既成勢力と新興勢力が激突する「第53回マイラーズC」は20日、出走予定馬が東西トレセンで追い切った。洛陽Sを好時計でぶちぬいたエアファンディタは今週、落馬負傷から復帰する松山弘平(32)を背に栗東坂路で好仕上がりをアピール。軌道に乗った大器が初タイトルを目指す。
 胸が躍る。水曜朝、栗東トレセンに松山が帰ってきた。しかも復帰週のマイラーズCには上り馬エアファンディタという強力な手駒が用意されている。前走の洛陽Sから連勝で重賞初制覇なら本番の安田記念に向けて視界が開ける。

 早期に復帰すること自体が奇跡。3月12日の阪神9Rで落馬負傷し、頭部外傷と診断され、その後の検査で外傷性脳損傷、右鎖骨骨折、けい椎骨折が判明。どれだけ時間がかかるのか…。ファンの心は焦燥感でいっぱいになった。

 が、この日、変わらない松山の姿が馬上にあった。エアファンディタは坂路。「感触を確かめるだけ」(池添学師)の言葉通り鞍上はフットワークを確認し、4F54秒0~1F12秒5の時計で上がってきた。

 もちろん軽く映った、この最終追い切りは1週前のハードワークに導かれたもの。先週CWコース単走で6F79秒9~ラスト1F11秒3を刻む豪快さ。あれできっちり出来上がった。最終追いは、いわば完成形を確かめる作業。池添学師は満足げに人馬を見守った。

 「見た目はゆったりだったけど、思った以上に時計は出ましたね。ここまで調教はしっかり動けている。やってもへこたれないので強めの負荷がかけられる」

 前走の洛陽Sでひとつの壁を突き破った。1分33秒台の持ち時計しかなかったこの馬が1分31秒9の好時計で電撃差し。素質馬が目覚めた。池添学師は“いつの間にかの切れ味”と面白い表現を使った。

 「乗った人間はみんな、手応えはないのに、いつの間にか前に来ていると。なんですかね。不思議な感じ。前走は速い時計勝負の中で鼻差でも、しっかり勝ち切ってくれた。重賞でも十分やれる。松山が復帰するので、一緒に結果を出したいと思います」

 この日、エアファンディタをはじめ、来週の天皇賞・春で騎乗するマカオンドールなど数頭の調教をつけた松山はこうべを垂れ、感謝の言葉だけを口にした。「頂いたチャンスを無駄にしないよう馬に感謝し、人に感謝したい。気持ちを新たに頑張りたいと思います」。休む前と変わらない。謙虚に、ひたむきに競馬と向き合い、勝利を目指して全力を尽くす。

 ≪ハットトリック産駒JRA初重賞制覇狙う≫エアファンディタの父ハットトリックは現役時代、05年マイルCSと香港マイルを連勝。その父サンデーサイレンスの血を求める米国の生産者から熱烈なオファーを受け、08年に種牡馬入りした。シャトル種牡馬として豪州やアルゼンチンでも種付けし、17年に拠点をブラジルへ。11年に仏G1ジャンリュックラガルデール賞を制したダビルシム、20年に米G1フォアゴーSを制したウィンウィンウィンなど数多くの重賞ウイナーを出している。20年8月3日、ブラジルで急死。JRAでは持ち込み、外国産を合わせて産駒8頭がデビューし、勝てばJRA重賞初制覇となる。

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