【中京記念】ベレヌス 迷いなき逃走劇で重賞初勝利 会心の西村淳「作戦通り」

2022年07月25日 05:32

競馬

【中京記念】ベレヌス 迷いなき逃走劇で重賞初勝利 会心の西村淳「作戦通り」
逃げ切って重賞初制覇を果たした西村淳騎乗のベレヌス(撮影・中村 達也) Photo By スポニチ
 逃げるが勝ちを実践!24日、小倉競馬場で行われたサマーマイルシリーズ第2戦「第70回中京記念」はベレヌス(牡5=杉山晴)が徹底逃げのレース運びで圧倒、重賞初勝利を飾った。デビュー5年目の西村淳也(22)は昨年ギベオンで逃げ切った金鯱賞以来、重賞2勝目。カテドラルとファルコニアが首の上げ下げの攻防で2、3着。女性ルーキー、今村騎乗のカデナは最後方から押し上げて6着だった。
 迷いなき逃走劇だ。14番枠のベレヌスはゲートが開くと同時に飛び出した。最初の1コーナーまでに最内ベステンダンクとのハナ争いに決着をつけ、理想の形に持ち込む。馬上の西村淳は腹をくくっていた。「(この日の)馬場を見ると前が止まらなかった。作戦通りです」と振り返る。

 人馬一体となり、前半5F59秒9と飛ばし過ぎず、なおかつ引きつけ過ぎない絶妙なラップを刻んだ。3コーナー付近から徐々にペースを上げ、後続に2馬身ほどのリードを保って直線へ。鞍上がこん身の左ムチを1発、2発と続けて打ち込み、ゴール前は気合でひと伸び。外から鋭く迫った2着カテドラル、3着ファルコニアを抑え、重賞初制覇を飾った。西村淳にとって2度目の重賞制覇。レース後、喜びを口にした。

 「いつも通り、いいスタートで楽にハナを切ることができた。ずっと手応えが良かったし、これなら…と。いい時も悪い時もコンビを組ませてもらって(オーナーや調教師ら)関係者の皆さまに感謝です」
 今月3日のCBC賞を日本レコードで逃げ切った3歳牝馬テイエムスパーダをはじめ、小倉芝は開幕初日から終始、先行勢が優勢だった。この日も芝は8鞍のうち逃げ切りが5鞍。その傾向をしっかり読み切ったあたりが勝因でもある。

 杉山晴師は冬開催の小倉大賞典(アリーヴォ)に続き、このコースで今年の重賞2勝目。「ジョッキーがペースの上げ方など、この馬のことを熟知している。3コーナーから4コーナーにかけては後続に脚を使わせる、絶妙なタイミングでペースを上げた。正直うまいと思った」と西村淳のリードを絶賛した。

 昨夏の小倉で博多Sを制し、オープン入り。そこから地道に力をつけてきた。5歳夏を迎え、約1年ぶりの小倉遠征で重賞ウイナーの仲間入り。今後については「迷いますね。オーナーサイドと相談して決めます」と明言は避けたが、トレーナーにとってはうれしい悩みだ。サマーマイルシリーズ続戦か、それとも秋に備えて休養か。いずれにしても今後に向けて、さらに期待が膨らむ勝利となった。

 ベレヌス 父タートルボウル、母カフヴァール(母の父デュランダル)17年3月6日生まれ 牡5歳 栗東・杉山晴厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績21戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億2482万3000円。馬名の由来はケルト神話の光、火、治癒をつかさどる神で「輝くもの」の意。

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