1頭桁違いの脚を繰り出した。直線、外に進路を取ったロンドンプランが次々と前をかわしていく。上がり3Fは2位より1秒1も速い最速の33秒1でズドン。最後はバレリーナを捉え、3/4馬身差でゴールへ。新馬戦に続く連勝でタイトル奪取に成功。松山は「一生懸命走って、凄い脚を使ってくれました。強かったです」と力走を称えた。馬場入り後、蹄鉄が外れ、打ち替えるのに手間取った。結果、2馬身ほど出遅れ。出脚もつかず、あっという間に最後方に置かれた。「時間がかかって他馬に迷惑をかけたし、この馬自身も苦しがってゲートを出られなかった」。その時点で腹をくくった。道中ためるだけ脚をためる策。直線の攻防に全てを懸けた。
12Rも制した松山は最終週4勝、計22勝で2年続けて夏の小倉リーディングに輝いた。「強い馬に乗せていただいているし、勝たなきゃいけないと思っていました。秋も頑張ります」と気持ちを新たにした。
宮本師は08年デグラーティア以来、14年ぶりの小倉2歳S2勝目。新種牡馬グレーターロンドン産駒の重賞初制覇となった。そのグレーターロンドンの母ロンドンブリッジ(98年桜花賞2着)は現役時代、中尾謙太郎厩舎に在籍。同厩舎で調教助手を務めた宮本師にとっては縁のある父でもある。「スピード一辺倒のタイプじゃないし、少しずつ距離を延ばしていこうと思う」と秋以降を見据える。蹄葉炎、脚部不安で長期休養を強いられながらも復帰し、6歳夏の中京記念で初タイトルをつかんだ父。非凡な能力を受け継いだ息子が出世ロードを歩んでいく。