【前橋・G1寛仁親王牌】新田 史上4人目グランドスラム!長い審議よぎった昨年の悪夢「簡単じゃない」
2022年10月24日 04:55
競輪
歴史的な大一番。絶体絶命のピンチを乗り切った。「内に詰まってしまった。最終バックも凄いことになった」。先行した古性の3番手を確保したのもつかの間、車間を空けてタイミングを計っていると吉田が追い上げて5番手。ラスト半周は新田の前に松浦、平原、吉田と3車の“S班の壁”。外を踏むコースはない。それでも新田はあきらめなかった。「走る前から(小松崎)大地さんが“勝てるように走れ!”と言ってくれた。信頼してついてくれたのを感じた」。2センターから最内をスルスルと踏み込み最終コーナーも逃げた古性の内へ。審議ランプがともり長い1着審議。「グランドスラムは簡単じゃない」――。昨年決勝で2着失格の悪夢が頭をよぎったが、競輪の女神は優しくほほ笑んでくれた。
今年5月いわき平ダービー前検日の指定練習中に落車し右肩鎖関節脱臼。今もその後遺症に苦しんでいた中で、たどり着いた金字塔。東京五輪の自転車競技日本代表として短距離界をけん引し、今ではジュニア世代を育成する立場になった新田は「若い子が憧れる競輪選手の一人として結果を求めていきたい」。“ケイリンと競輪”を知る36歳は新たな責任感を胸に抱いた。
《次走予定》優勝した新田祐大は29日~11月1日の京王閣記念、2着の守沢太志は11月10~13日の四日市記念、3着の松浦悠士は11月3~6日の防府記念。
◇新田 祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日生まれ、福島県会津若松市出身の36歳。県立白河高卒。05年7月プロデビュー。通算1003戦358勝。通算取得賞金は11億2592万円。主な優勝は第68回日本選手権競輪(15年)、第58、62回オールスター(15、19年)、第67、68回高松宮記念杯(16、17年)、第59回競輪祭(17年)、第33回全日本選抜(18年)、第31回寛仁親王牌(22年)。1メートル72、76キロ。血液型O。