【フェアリーS】11番人気キタウイング 内から差し切って重賞2勝目 小島師「正直勝てないと…」

2023年01月10日 05:22

競馬

【フェアリーS】11番人気キタウイング 内から差し切って重賞2勝目 小島師「正直勝てないと…」
内から抜け出し、メイクアスナッチ(右)の猛追を振り切ってレースを制したキタウイング(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 競馬はミステリー!?勝利を呼ぶの、不思議な力で――。今年最初の3歳牝馬重賞「第39回フェアリーS」が9日、中山競馬場で行われ、11番人気キタウイングが内から差し切って重賞2勝目。桜花賞(4月9日、阪神)に名乗りを上げた。鞍上の杉原誠人(30)は昨年のアイビスSDに続きJRA重賞2勝目となった。
 人馬一体の勝利だった。「ムキにならずに、よく厳しいところを抜け出してくれた。ありがとう」。レース後、杉原は優しく愛馬をなで感謝を伝えた。小島師は「鞍上がこの馬の性質を分かっていたから勝てた」と、杉原の相棒への愛に感動した。

 「これしかない」。決意のイン突きだった。この日の中山芝コースは内が伸びる馬場。外枠だったこともあり、スタート直後「腹をくくって」迷わず後方のインへ。4角までに位置を上げて直線を迎えるとぽっかり空いていた内を選択。外から伸びたメイクアスナッチの猛追を頭差しのぎ、今年最初の3歳牝馬重賞の頂に立った。小島師は「正直勝てないと思っていた。少しでも上へと思っていたけど、まさか。普通は、あの進路は詰まるんだけどね」と、不思議な力に驚いた表情だった。

 昨夏の新潟2歳Sに続く2つ目のタイトル。「この時期の牝馬で重賞を2勝するのは大したもの」と称える。目指すのは桜花賞、NHKマイルC(5月7日、東京)と続くマイル路線。一方で、愛馬の現状を冷静に分析する。「今まで見てきた一流馬と比べて、まだなにか足りないところがある。実戦で経験値を積みたい」。近年の王道である本番直行ではなく、トライアルレースへの出走を示唆。チューリップ賞(3月4日、阪神)などを視野に入れ、事前に栗東に滞在させる私案も明かした。

 杉原は「気持ちが強い。乗るたびにパワーアップしていく」と成長ぶりを絶賛する。運は確かにあった。でも決してミステリーではない。勇気と信念の騎乗で強運を自らたぐりよせた。さあ桜の仁川へ、新緑の府中へ。翼を広げ、新たなフライトが始まる。飾りじゃないのよタイトルは。いざ頂点へゲットアップ!

 キタウイング 父ダノンバラード 母キタノリツメイ(母の父アイルハヴアナザー)20年5月14日生まれ 牝3歳 美浦・小島厩舎所属 馬主・ミルファーム 生産者・北海道浦河町のミルファーム 戦績5戦3勝(重賞2勝目) 総獲得賞金7528万円 馬名の由来は北+翼。

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