池添兼雄師 馬とともに人も育成「充実した日々を送れました」

2023年02月08日 05:30

競馬

池添兼雄師 馬とともに人も育成「充実した日々を送れました」
池添兼雄師 Photo By スポニチ
 【さらば伯楽】元ジョッキーの池添兼雄師は馬、人を育てたトレーナー。長男・謙一が騎手、次男・学が調教師と父の背中を見て馬の道を志し、愛弟子の松山はトップジョッキーに育った。充実の日々を振り返る。
 騎手デビューから長いようで短い49年間だった。池添兼師は「たくさんの方々に支えられ、充実した日々を送れました」と感謝の思いを口にする。74年3月に栗東・大久保石松厩舎所属で騎手デビュー、4月から大久保正陽厩舎に籍を置いた。その正陽氏が先月、死去。「兄のように慕っていました。先生にあれこれ言われたことはなかった」と懐かしむ。主に障害で活躍したが平地では「気まぐれジョージ」の愛称で親しまれたエリモジョージに騎乗し、76年大阪杯、鳴尾記念と続けて3着。次走は福永洋一氏とのコンビで天皇賞・春を制した。「気難しかったけど闘争心が強かった。洋一さんが騎乗した天皇賞は本当に強かったですね」と名馬の背を経験したことが思い出になっている。

 97年に調教師免許を取得。99年に厩舎を開業した。その年、山田博康オーナーから開業祝いで預託されたヤマカツスズランが阪神3歳牝馬Sを制覇。「当時はずっと手元に置いて調整していた。(牧場と連携する)今なら、また違った競走生活を送れていたかなと思う」と、このときは勝負師の表情を浮かべた。

 長男・謙一は騎手、次男・学は調教師として活躍。弟子・松山はリーディング上位に食い込んでいる。「みんな一流の仲間入りをしてくれた。僕から言うことは何もないですよ。体に気をつけて頑張ってほしい」と優しいまなざし。橋口師、上村師、茶木師もかつて自身の下で調教助手を務めたトレーナーだ。定年後は「列車の旅をしてみたい」という。空いた時間を楽しみつつ、競馬界を応援していく。

 ◇池添 兼雄(いけぞえ・かねお)1952年(昭27)10月22日生まれ、鹿児島県出身の70歳。74年3月に騎手デビュー。84年中山大障害・春をメジロジュピターで制す。通算1587戦185勝、うち障害は763戦130勝。92年2月に騎手を引退、3月から栗東・鶴留厩舎で調教助手。97年に調教師免許を取得し、99年3月に厩舎を開業した。JRA通算6235戦433勝、うち重賞は99年阪神3歳牝馬S(ヤマカツスズラン)のG1勝ちを含め、メイショウベルーガ、ヤマカツエース、カツジなどで18勝。

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