【書く書くしかじか】「信頼される騎手になりたい」ハートの新たな挑戦
2023年03月01日 10:10
競馬
デビュー年から12、40、38勝と着実に勝ち星を積み重ねた。21年はレイハリアで葵S、キーンランドCを勝ち、自身初の重賞制覇。順風満帆のように思えたが4年目の昨年、大きな壁にぶち当たった。デビュー5年未満の見習騎手は減量制度が適用され、男性は負担重量が3キロ減でスタート。勝利数31~50回以下が2キロ減、51~100回以下が1キロ減、101勝到達で減量卒業となる。亀田は4年目を迎えた時点でJRA通算90勝。22年は初勝利が3月12日と苦しい時期が続いた。「減量が1キロになって以降、勝てなくなりました。成績が悪くなると焦りが出て、いつの間にか周りが見えなくなる。負の連鎖でした」と振り返る。
ちょうど1年前、師匠・北出師からのアドバイスもあり、フリーを考えるようになった。「自厩舎だけではなく、もっと他厩舎の方々と関係性を築いて自分から積極的にアピールできるようにしよう」と亀田。昨秋から高柳大厩舎、大久保厩舎、田中克厩舎など他厩舎の調教に騎乗する機会が増え、同時に少しずつ意識も変わった。「当然だけど厩舎によって馬のしつけが違う。新しい発見があるし、いろんなタイプの馬にまたがって乗り方の引き出しが増えました」と言う。
成果は徐々に表れ、昨年9勝のうち10~12月で半数以上の5勝。今年1月22日には節目のJRA通算100勝を達成した。亀田は「この世界は結果が全て。一鞍、一鞍を大事にして勝ち星を増やし、信頼される騎手になりたい」と目標を掲げた。まずは目の前のことを真剣にコツコツと。小さな積み重ねがいずれ、大きな喜びにつながる。
◇亀田 温心(かめだ・はーと)2001年(平13)2月4日生まれ、京都市伏見区出身の22歳。19年に北出厩舎からデビュー。同年3月17日の中京7R(グランドガール)でJRA初勝利。20年チャンピオンズC(ヨシオ=16着)でG1初騎乗。JRA通算2110戦102勝(重賞2勝)。1メートル64、46キロ。血液型A。
◇田村 達人(たむら・たつと)1992年(平4)11月12日生まれ、大阪市出身の30歳。高校卒業後に北海道ケイアイファームへ。育成&生産に携わる。予想スタイルは取材の感触。