【ヴィクトリアマイル】スタニングローズ95点 まるで芍薬のような優美な立ち姿 華麗に変身、花盛り
2023年05月09日 05:20
競馬
昨秋とは見違えるほど見事に抜けたキ甲(首と背中の間の膨らみ)。わずか数カ月のうちに背丈が伸びた印象を与えます。キ甲の盛り上がりに合わせて首差しがきれいに抜け、肩の筋肉も発達してきました。すらりと伸びた芍薬の姿形。見栄えだけではありません。3歳春当時から際立っていた胸前に見合った首、肩が備わったことで「運動連鎖」(各部位が波及し合う運動)がよりスムーズになる。4歳春を迎えての新たな進化です。
姿勢も良くなった。昨年のエリザベス女王杯(14着)時にはトモを前踏みしたせいで詰まり気味の立ち姿。「ちょっとしたストレスが立ち方に表れているのかもしれない」と指摘しました。ところが、今回はトモを正位置に置き、のびのびと気持ち良さそうに立っています。すらりと伸びた芍薬のような端正な立ち姿です。
レース間隔が2カ月半空いているためか、全体に少し余裕があります。それでも、この馬の最大の特長であるしなやかさは失っていません。各部位が滑らかにリンクした機能性にも優れた馬体。マイル~中距離に向きそうな短めの背中にしなやかさ、滑らかさが加われば、中距離戦からマイル戦に替わっても対応できるでしょう。顔つきがきつくなっていますが、マイルの速い流れに乗るにはきついぐらいのほうがいい。冬毛が見られたエリザベス女王杯時に比べて毛ヅヤも数段、さえています。
♪立てばローズ…と、口ずさみたくなる華麗なる変身。スタニングローズも今が花盛りです。(NHK解説者)