【TVh杯】“1勝より一生”の英断で開花したモリノドリーム

2023年06月29日 05:05

競馬

 【東西ドキュメント・美浦=28日】1勝より一生。トレセン事務所前には藤沢和雄元調教師のJRA通算1500勝記念碑が建っているが、その碑文に共感したのは弟子だけではない。「この馬は俺が(70歳定年で)引退する2月までウチの厩舎にいたんだよ」。トレセンを訪れた大江原哲元調教師が競馬週刊誌の登録表を指さした。今週土曜函館11R・TVh杯のモリノドリーム。「去年秋に2着したレースぶりから引退前にもう一度使いたかったけど、疲れが取り切れなかったので我慢した。無理に使えばこの馬の将来はなくなるから」と振り返ると、梅崎に笑顔を向けてこう続けた。「1勝より一生。藤沢さんはお手本なんだよ」。
 厩舎解散前の出走を自重し、放牧させた効果だろう。鹿戸厩舎に移った前走の函館戦を楽勝。調教師引退後は法人馬主のマネジメントを担う大江原氏も函館に出向いて喜びを分かち合った。「おかげでいい状態で使えるようになりました。私も大切にしたい言葉です」とは鹿戸師。1勝より一生…碑文は藤沢氏の置き手紙である。

おすすめテーマ

2023年06月29日のニュース

特集

ギャンブルのランキング

【楽天】オススメアイテム