【フェブラリーS】レッドルゼル 8歳でも今がピーク 安田隆師が有終G1飾る
2024年02月16日 05:30
競馬
「乗り手(安田助手)は“(手綱を)離していたら50秒台が出ていた。よく制御できた”と言っていました。馬は元気で走りたがっているが、今朝は軽く55秒台ぐらい。予定通りの調整ができました」
満足げだ。既に2週前の坂路で4F51秒4。1週前にも4F52秒4の好時計をマークしている。この日のテーマは前に向く気性を、いかになだめるか。馬は走る気満々だったが、鞍上がグッと手綱を抑え込んで最終追いは完了した。
20年6月13日の天保山S2着以来の再コンビとなる北村友を追い切りに乗せなかったのも、木曜追いを選択したのも気性面を考慮したからだ。調教からレースまで中3日より中2日の方が気持ちが空回りすることなく、テンション的にはベストだと説明する。
8歳を迎えたが肉体面に加え、気持ちが若い。昨秋の前走・武蔵野S3着は約7カ月半の休み明け。そこを使っての上昇度が素晴らしい。ここも3カ月ほど間隔が空いているが状態は最高潮に達した。
「昨年は重度の熱中症にかかり、体調的に本当に苦しかったと思います。使う頃には良くなってきたけど本来、切れる馬が切れなかった。あの状態で、よく3着まで来られたなと」
前走後はここ一本に狙いを絞り、磨き上げた。フェブラリーS4年連続参戦となり、昨年はメンバー最速の上がり3Fで2着に入った舞台。鬼(昨年Vレモンポップ)が不在なら間違いなく主役だ。来月5日の引退までカウントダウンとなった指揮官は力を込めた。
「もうボチボチ、トップを獲っていいかなと。今回が(自身の定年引退前の)最後のG1になるので格好良く決めて引退したいと思います」。名伯楽、最後のG1はかつて自身が手がけたロードカナロアの産駒で参戦。4度目の正直へ。今この瞬間、悲願に手をかけた。