“競馬一家のサラブレッド”大江原比呂 ひと鞍ずつ大切に「今は楽しみな気持ちの方が大きい」
2024年03月01日 05:30
競馬
生まれた時から競馬が身近にあった。祖父は障害騎手から調教師(23年引退)へと転身した大江原哲さん。父の勝さんは蛯名正厩舎で現調教助手という競馬一家で育った。「小学校5年生の時に友達に誘われて乗馬クラブに通い始めました」。競馬の魅力も危険も分かっている家族は、楽しそうに乗馬にいそしむ比呂を見て「ジョッキーになりたいと思わなければ…」と複雑な心境で見守った。
乗馬の楽しさにはまると同時に、活躍する藤田菜七子の姿に騎手という職業を強く意識し始める。「中学生になった時に、勝手に競馬学校ジュニアチームに応募しちゃいました」と比呂。最初はジョッキーを志すことに消極的だった両親もその行動力に驚き、次第にその夢を応援するようになった。
「今は楽しみな気持ちの方が大きいです。でも、競馬場に着いたら緊張してしまうかも…」と新人らしい一面も。土曜中山6Rで騎乗するタイガードラゴンは、祖父が調教師として管理し、重賞(14年新潟2歳S)も制したミュゼスルタンの産駒。祖父ゆかりの1頭で初勝利を目指す。哲さんは「なんか縁があるよね、感慨深いよ。頑張ってもらいたいね」と愛する孫にエールを送る。
「1年留年しましたが、サポートしてくれた競馬学校の先生たちに感謝しています。これからも感謝の気持ちを忘れずにひと鞍ひと鞍大切にしていきたい」。強い愛馬心を持ったニューヒロインの新たな物語が始まる。