【藤田晋オーナー語る(下)】NHKマイルCは「米から応援」 ボンドガール馬名由来は「007じゃない」

2024年05月03日 05:29

競馬

【藤田晋オーナー語る(下)】NHKマイルCは「米から応援」 ボンドガール馬名由来は「007じゃない」
インタビューに応じる藤田氏(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【藤田晋オーナーにインタビュー(下) 】 ※藤田晋オーナー語る(上)から続き。
 ――フォーエバーヤングは22年セレクトセールで1億780万円(税込み)で落札。第一印象は。

 「矢作先生含め、牧場関係者からも推薦がありました。正直、強烈には覚えていないです。予算は自分の中でこのあたりまで…とラインは決めてセリに臨むのですが、何が何でも!って感じではなかったです」

 ――当初からダートでの活躍を想像していた?

 「全くなかったです。デビューの段階になって“えっ、ダートなんですか?”って。海外遠征に関しても全く想定していませんでした。レースを積み重ねるごとに本当に強いんだと分かってきて。元々、リアルスティールの種牡馬価値が落ちた時(セリ当時は産駒が未勝利)に購入しているので、周囲にも期待されていなかったですし、走るにつれてリアルスティールの種牡馬価値も上がっているようなのでうれしいですね」

 ――デビュー後も予想外の展開が続いている。

 「この活躍は想定外ですし、やってみて分かったことはダート路線には夢があるな、と。サウジカップ、ドバイワールドカップはもちろん、今回のケンタッキーダービーもそう。国内にはダート3冠もある。フォーエバーヤングに教えてもらいました」

 ――他に、馬主になってみて分かったことは。

 「良い話と悪い話が交互にどんどん入ってきます。6対4ぐらいで悪い話ですかね。“ケガしました”“期待していたけど勝てませんでした”とか。18頭立てで1頭しか勝てない世界。真剣に予想して馬券を買っても当たらないわけですから、そういうものだと思ってやっています」

 ――収支についての考えは。

 「最初から馬主業で収支をどうのこうのとは考えていなくて、人生の残りの時間と使えるお金を考えて取り組んでいます。ただ、破産するまでいけてしまう趣味でもあるのでほどほどに気をつけなければいけないと肝に銘じています。外から見れば凄くお金を投資していると思われるかもしれないですけど、自分ではここまでは大丈夫というラインでやっています」

 ――藤田オーナーの所有馬は馬名が覚えやすく、ファン受けがいい。

 「思いついた時にiPhoneにメモしています。自分の馬なのでエゴイスティックに好きなものをつけていて、フォーエバーヤングは好きな曲の名前(AK―69―『Forever Young feat.UVERworld』)です。シンエンペラーだけは買った時から矢作先生と“ダービーを獲ろう”と話をしていたので、それっぽい名前をつけました」

 ――NHKマイルCに出走するボンドガールもキャッチーな馬名。

 「多くの方は『007』が由来だと思っていると思うのですが、実は証券を売る外資系会社の女性が美女ぞろいで金融界では“ボンドガール”と呼ばれている。ボンド(債権)を売りに来るので、ボンドガール。その話を聞いた時にiPhoneにメモしたんです(笑い)」

 ――馬主になるきっかけとなった武豊騎手とのコンビ継続で、こちらも注目を集める一戦。

 「今年のNHKマイルCは皐月賞や桜花賞から例年にないメンバーの集まり方をしているので、少し厳しいかなと思っています。でも、東京マイルは話題になったハイレベルな新馬戦を勝った舞台でもあるので、わずかに期待しています。レース当日はアメリカから応援します」

 ◇藤田 晋(ふじた・すすむ)1973年(昭48)5月16日生まれ、福井県出身の50歳。青学大卒。98年「サイバーエージェント」を設立し、代表取締役社長に就任。00年に当時史上最年少26歳で東証マザーズ上場を果たした。18年からJリーグFC町田ゼルビアのオーナー。同年に発足した麻雀プロリーグ・Mリーグの初代チェアマンも務める。馬主としては21年フェニックス賞(デュガ3着)が初出走。これまでJRA、地方、海外で計66勝を挙げている。子会社のCygamesが「ウマ娘 プリティーダービー」を運営開発。

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