【競輪 浅井康太コラム「虎視眈々」】最新のものに頼るのではない まずは自分を信じること

2024年07月31日 04:40

競輪

【競輪 浅井康太コラム「虎視眈々」】最新のものに頼るのではない まずは自分を信じること
一緒に街道トレーニングを行う溝口葵と(浅井選手提供) Photo By 提供写真
 あれは昨年の11月。「このままでは現代のスピード競輪に置いていかれるかもしれない」と不安になる私がいた。そして使用していた“プラスチックを使用したシューズ”から“カーボンを使用しているシューズ”に履き替えた。すぐに四日市記念を優勝したが、結果ではなく感触の悪さに耐え切れず、1場所で元のシューズへ戻すことに。そしてまた…。同じ考えになっていたところです。
 高松宮記念杯やサマーナイトで感じた“上位との差”をどこで埋めるのかという課題に対して考えると、やはり最新のモノに頼ることも必要なのか!?という方向へ行ってしまう。今までの私なら、モノよりも感覚と発想力、そして圧倒的な練習量だった。

 別府記念初日、その時に使用した“カーボンを使用しているシューズ”の最新型を使いました。これなら現代のスピード競輪へ対応できるのではないかという期待を持ってレースを走りましたが結果は9着。

 この時に思い出したことがある。それは「新しいモノがいい」と思う考え方は一般的だということ。大半の人は最新のモノがいいと思うでしょう。多数派になることで、それは一般的なことに変わる。

 私の頭の中には特別な考えがなく“普通なこと”をしている“普通の人の考え”になっていた。それに気づいた2日目以降は全てを元に戻しました。自分と向き合うことで自分を理解すればアイデアもあふれ出す。まずは自分自身を信じることが大切だと改めて思った別府でした。

 最近は溝口葵(31=三重・117期)とマンツーマンで街道トレーニングを行っています。猛暑の中、いつも倒れそうになるくらいボーッとするけれど、その状態で考えることができれば、普段はもっと楽に頭も使えるようになる。もう少し、しんどいことができれば、きっと現代のスピード競輪に対応できると信じ、これからも私自身と競輪にしっかりと向き合います。

 皆さんは無理せず、水分と塩分補給を忘れずに体調管理を最優先してください。これに関しては一般的な考え方でいいと思います。とにかく、自分自身を大切にしてくださいね。(競輪選手)

 ◇浅井 康太(あさい・こうた)1984年(昭59)6月22日生まれ、三重県出身の40歳。90期。11年の寛仁親王牌、オールスター、18年の競輪祭でG13V。15、17年のKEIRINグランプリ覇者。1メートル80、75キロ。血液型O。

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