【トライアスロン】東京五輪の星・佐藤優香、原点は母との二人三脚
2016年08月03日 12:30
五輪
泳ぎは通っていたスクールで鍛え、ランとバイクは母親と二人三脚でトレーニングを重ねた。印象に残っている練習はランのタイムトライアル。記録が遅いと、数字が出るまでやり直した。「母との練習で、負けん気を養いました」。妥協を許さない当時の経験は、現在のハードな練習だけでなく日々の生活にも役立っているという。
2010年に開催されたユース五輪で金メダル。一気に12年のロンドン五輪代表候補として浮上したが、五輪切符のかかった予選で敗れ、出場はかなわなかった。「自分が出場権を獲得するんだという強い思いで臨んでいましたが、自信があったかと言われると疑問符が付く。世界で戦うという意識がまだ不足していました」と振り返る。
4年後のリオ五輪を目指し、スタミナ強化や理想のフォーム作りなど3種目すべての底上げに着手。特に苦手だったバイクは、技術、体力面を共に磨いて苦手意識を払しょくし、自ら得意種目と胸を張れるほどになった。2度の大きな落車を経験し、恐怖心との戦いもあったが集団走の経験を重ねていくことで克服。現在も怖さがないといったら嘘になるが、周囲の選手の動きを予測して対応できるようになったと“ケガの巧妙”も明かした。
目前に迫った本番のレース。3日に日本を出発し、7日にカナダのモンオリオールで開催されるワールドカップに出場し、最終調整を経てリオへと移動する。「スイムから先行逃げ切りの展開に入り、ランでどこまで戦えるかですね」と上位進出を見据えた佐藤。その道の先に東京五輪が開けていることも分かっている。