30歳迎えた興梠、FW兄貴分として決意「誰よりも走る」
2016年08月03日 05:30
五輪
大きな誕生日ケーキを前に、興梠が30歳の誓いを立てた。三十路の大台に突入し、前日31日の夕食時には選手とスタッフにお祝いされた。全員の視線を集めたあいさつの場。いつになく真面目な表情で「OA枠で呼んでくれた監督、本大会出場を決めてくれた選手に“ありがとう”と言いたい」と感謝の気持ちを伝えると、続けて本大会への決意を語り始めた。
「いつも監督が言っている“まだ何も成し遂げていない。何かを成し遂げたい”という気持ちは自分も一緒」
48年ぶりのメダル獲得を目指す手倉森監督と思いは同じだ。30日の親善試合ブラジル戦で叩きのめされ、FW陣は久保の派遣問題に揺れて難しい状況を迎えている。だが、目標があるからこそチーム最年長は前を向く。
求められるのは攻撃陣のけん引役。本大会で躍進するため、見せ場をつくれなかったブラジル戦の反省を生かす。「どうすれば打開できるかを考えた時に(ブラジル戦では)相手に数的優位をつくられていた。自分たちがやりたかったことを相手がやった」。最前線で孤立した課題を克服しようと、チームや選手間でも積極的に話し合った。
サッカー王国に惨敗したことで、日本に対する注目度は低くなった。その状況を「ブラジルに勝って臨むより(負けたことで)警戒されずに臨めるかな」と興梠は歓迎する。そして、開幕前の下馬評を覆すために誰よりも走る覚悟を示した。
「自分が30歳で(最年少の)井手口は19歳。11歳差もあることにびっくりするけど、ピッチではあいつ以上に走らないといけないし、走りまくりたい」
大舞台で人生の節目を迎えたストライカーが、最高の輝きを求めて新たな戦いに挑む。