吉田沙保里 引退も…「全て出し切った」東京五輪「分からない」
2016年08月24日 05:48
五輪
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「すぐにやる気には全然なっていない。引退も頭の中には出てきたかな。今までは引退は全然出てこなかったけど」
食事面のサポートを含め、いつも寄り添ってくれた栄TLの妻・怜那さんにもLINEのメッセージで一区切りついた自分の心境を伝えている。「リオは全て出し切った気がする」「もう悔いはありません」「銀メダルだけど新鮮で大好きです」
敗戦後は打ちひしがれていたが、後輩たちの活躍が気持ちを立て直すきっかけとなった。女子48キロ級を制した登坂絵莉(22=東新住建)とは同部屋で、「いつまでも泣いていたらこの子が喜べない。せっかく金メダルを獲ったんだから笑って楽しく終わりたい」と思ったという。結局、翌朝に2人でもう一回泣いたものの、それで涙は打ち止めになった。
栄TLは後輩たちの信望も厚い吉田に対し、至学館大や女子日本代表のコーチとして手腕を発揮することを期待している。指導者の道を歩みつつ、自分の行く末をじっくり考えることには吉田自身も賛成だ。「すぐには決められないので、後輩たちを教えながらゆっくりと相談して考えていけばいいかな」と正式なオファーがあった場合には前向きに考えるつもりでいる。
24日には帰国して解団式に出席し、日本代表主将としての任を終える。31日には日本レスリング協会の報告会も予定されており、まずは慌ただしく行事をこなしていく。東京五輪については「それは出られるものなら出たい。人間どう気持ちが変わるか分からないので」と語った吉田。気持ちが変わらない限りは出ないという現在の心情の裏返しでもある。リオで途絶えた連覇と連勝。吉田の現役に対する情熱も同時に途切れようとしている。