小倉氏、城氏がザックジャパンの1年総括 収穫は五輪組の台頭
2012年11月15日 12:00
サッカー
2012年のザックジャパンを、スポニチ評論家でともに元日本代表FWの小倉隆史氏(39)と城彰二氏(37)が振り返った。今年最後の試合となったオマーン戦は2―1で勝利し、今年の成績は8勝2分け2敗。6月から始まったW杯ブラジル大会アジア最終予選は4勝1分け無敗の首位で、本大会出場に王手をかけた。14年W杯まで1年半。オマーン戦から見えた日本代表の現状、そして来年への課題を分析した。
小倉 アウェーの過酷な環境で、最後に勝ち越して勝ち点3が取れたのは物凄く大きい。
城 暑さの影響もあって出だしが悪かった中、いい時間帯で先制点を奪うことができた。今野からいいパスが出て裏を狙った長友が素晴らしい折り返し。暑い中で長い距離を走ってワンチャンスをものにして流れを呼び込むことができた。
小倉 先制点が取れたことで、0―0で折り返したかった相手のゲームプランを崩すことができた。オマーンは後半勝負で前線からプレッシャーをかけてきた。
城 先制点を決めた清武はペナルティーエリアに入っていく意識が強くなった。これまでは攻撃の際に逆サイドにいるとなかなかあそこまで動けなかったが、不調の本田を補う活躍だった。
小倉 決勝点の岡崎はケガ明けということもあって持ち味である裏への飛び出しは少なかった。それでも最後に詰めるのはストライカーらしい。
城 ロシアでプレーする本田は気温差が30度にもなる環境が響いたのだろう。動きがいつもの半分程度だった。
小倉 確かに欧州組は気温差と準備期間の短さから走れない選手が多かったが長友は別格。あの運動量は“化け物”。
城 失点した時間帯は追加点が欲しいFWと中盤が前掛かりになり、守備ラインと間延びしていた。中盤でボールを失ってショートカウンターを浴びる場面が多かった。
小倉 失点のFKにつながるファウルは吉田の対応が遅れた。暑さと疲れで判断ミスがあった。
城 12年を振り返ると五輪組が入って結果を残した。この試合も清武が結果を出し酒井高もいい仕事をした。内田も危機感を感じているのでは。
小倉 チーム力アップには控え選手の底上げが必要。ザッケローニ監督が若手に厳しい言葉を投げかけたのも、もっと先発を脅かす選手が出てきてほしいからだと思う。
城 ゲームをつくるキーマンである遠藤が負傷などで離脱した場合の後釜が見当たらない。扇原(C大阪)がもっと開花してくれればいいが。
小倉 鹿島の柴崎にも期待したい。来年はW杯本大会に向けて本格的な準備に入る。10月の欧州遠征のように世界のトップレベルと敵地で試合をすることが大切。6月のコンフェデ杯は、開催地で各大陸王者と対戦できる貴重な機会となる。
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