なでしこ佐々木監督「俺をバカにしている」 ロンドン五輪後に求心力急降下
2016年03月08日 09:35
サッカー
転落の始まりは、4年前にさかのぼる。12年ロンドン五輪。選手も指揮官も、そのメンバーで戦う最後の大会と信じ、死力を尽くして戦った。初の銀メダル獲得に沸いたが、その直後に状況は暗転。同五輪で勇退するはずの佐々木監督が一転、残留となった。そこから不協和音が流れ始めた。
選手と監督の微妙な距離感は、大きな溝に変わった。互いに歩み寄ることができず、指揮官は選手と一線を引く。「冷たい」「もっと見てほしいのに」と選手が訴えても、指揮官は「おまえらは俺から何を言われても聞かないだろ」と吐き捨てたこともあった。11年W杯ドイツ大会では東日本大震災などの映像を見せるなど、女心の分かるモチベーターだった指揮官の求心力は急降下。かつて「ノリさん」と慕われた指揮官は「選手が“ノリオ”と呼ぶ。リスペクトがない」「俺をバカにしている」などと話し、冷戦状態に陥っていた。
意思疎通も欠如していた。ある主力は「外される理由を言ってくれるだけで違う」と言う。多くの若手を試すため、指揮官がメンバーを入れ替えることは仕方ない。だが、最大の功労者である澤さんにも、選考漏れの続いた1年間、その説明は一切なかった。今予選も「ベストコンディションではなかった」と説明されて選考外となった安藤の状態も問題なかったという声もある。
「選考が謎すぎる。本当に戦えるの?」と主力がつぶやく中での直前合宿。25人から20人へメンバーを絞り込んだ際は宿舎でのメンバー発表は行われず、落選者にだけ通知された。その5人を知らない20人がいきなり見送りをさせられるなど一体感を欠いた。
9年続いた佐々木体制。4―4―2に固執した戦術は、アジア諸国にまで研究し尽くされていた。メンバーも戦術も変わらない“マンネリ化”が招いた悲劇。その根底には選手と指揮官との溝があった。(特別取材班)
おすすめテーマ
2016年03月08日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
J1横浜、ブラジル人FWカイケ完全移籍濃厚 得点力期待
-
清水、岐阜などで指揮 行徳浩二氏がネパール代表監督に就任
-
遠藤 MLS開幕戦で勝利に貢献 福島に活躍届ける!
-
Rマドリード ジダン監督、ベイルの先発復帰を示唆
-
まるで別人!?ハリル監督“恐怖政治”「我慢の限界がある」
-
U―16代表 ウズベク遠征から帰国「得るもの多かった」
-
ハリル監督 ハーフコート紅白戦でも身ぶり手ぶり熱血指導
-
宇佐美 定位置獲りに気合「危機感を持ってやりたい」
-
遠藤航 U23世代の突き上げ誓う「超えていかないと」
-
米本 負傷離脱も軽症を強調 鹿島・永木を追加招集
-
五輪消滅…なでしこ再建へ“レジェンド”澤さんに協力要請
-
澤さん 先発外れた中心選手の献身的な姿を評価
-
大儀見 リスタート弾!「ここからがゼロからのスタート」
-
宮間 今後は語らず…五輪出場途切れ「責任を感じています」
-
“次世代エース”岩渕が口火弾「上へ持ち上げられる存在に」
-
横山 希望の2戦連発「何を言われようと結果を残す」
-
中島 持ち味発揮し7得点目「やるしかないと思っていた」
-
佐々木監督 笑顔なし「初戦に尽きる」 準備にも「反省」
-
鳥栖GK林、広村美つ美と結婚へ 交際5カ月“速攻”プロポーズ
-
長友 失点に絡むもクロス上々 代表戦に高まる期待
-
本田 2度の好機決められず…地元紙から厳しい評価
-
高徳 通算100試合出場、白星で飾り「気持ちいい」
-
太田 出場停止明け2戦ぶり先発「我慢して」勝利に貢献
-
乾 バルサ戦出場わずか3分も収穫「見習うところ多い」