元日本代表コーチ・岡村氏急逝から3年…今こそ“歴史”に光を
2016年05月09日 12:19
サッカー
2年間社業に専念した後、コーチとしてチームに復帰。32歳の時に中国遠征した日本選抜のコーチを務めたことが縁で、日本協会の仕事をするようになった。81年から日本ユース代表監督、83年に森監督の就任と同時に日本代表コーチに就任。石井監督に交代した後もコーチとして残り、チームを支えた。
退任後は法大やNKKの監督を務めたが、同社がJリーグに参加しなかったため、社員だった岡村さんも会社に残り、Jリーグで指導者やフロントとして活躍することはなかった。時々、テレビやラジオの解説者を務めていたが、90年から週に3度透析を受けるようになっていた。
岡村さんは、よく技術のことを話していた。「今の選手はちゃんとボールを蹴っていない。インステップでバシッと蹴らないと」と、身ぶり、手ぶりを交えて話した。日本代表の香川についても「きちんとボールを蹴っていない」と手厳しい。「彼ならできるはず」の思いがあるからこそだった。
「マッチコミッショナーをやるようになって、サッカーがよく見えるようになった」と岡村さんは言っていた。「日本のサッカーはもっとよくなる。私なりに提言したい」と、意欲も持っていた。さらに「80年代のことは忘れてはいけない。森さんも精いっぱいやり、力を出し切ったが、勝てなかった。そういうことを伝えていかないと」と、言っていた。
歴史の重要性は誰もが分かっていること。93年5月のJリーグ開幕をきっかけに急成長した日本のサッカーは、同年10月のドーハの悲劇でW杯まであと一歩と迫り、98年W杯フランス大会で初出場、世界の舞台にたどり着いた。
68年メキシコ五輪で銅メダルを獲得した後、70~80年代は低迷したが、その時代の日本サッカーを支えた人たちがいたからこそ、今がある。もうすぐJリーグができて四半世紀、Jリーグ開幕後に生まれたJリーガーも増えている。今こそ“歴史”に光を当ててほしい。(記者コラム・大西 純一)
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