昨季15位長崎がJ1自動昇格 経営危機乗り越え…高田社長&高木監督タッグ実る
2017年11月11日 21:00
サッカー
勝てば自動昇格の決まる長崎は前半27分、飯尾の右クロスからゴール前での混戦で最後は乾の左太ももに当たったボールがゴールに吸い込まれて先制。後半17分には同点に追いつかれたが、1―1で迎えた後半28分、32歳の前田が2015年7月12日の京都戦(長崎県立)以来853日ぶりとなるJリーグ2点目を右足で決めて勝ち越し。同37分には碓井の右クロスを扇長が決めて勝ち切った。
J2初参戦となった13年に就任した元日本代表FWの高木琢也監督(49)は同年いきなり6位に躍進してJ1昇格プレーオフ(PO)に導いたが昇格ならず、15年も6位で昇格POに進出したが敗退。POで2度の昇格失敗を経て、見事にチームを自動昇格へと導いた。高木監督は06年には横浜FCを率いてJ2優勝でチームをJ1初昇格へと導いており、自身11年ぶり2度目のJ1昇格。あす12日が50歳の誕生日で、これ以上ないバースデープレゼントとなった。
今年1月には約1億2000万円の最終赤字を計上する見通しであることが発覚し、当時の社長やゼネラルマネジャー(GM)ら取締役が一斉退陣となるなど一時はクラブ存続すら危ぶまれた。だが、それまでもスポンサーだった通信販売大手「ジャパネットホールディングス」(長崎県佐世保市)が4月に筆頭株主となり、同社の創業者で肥筑方言訛りの甲高い口調で商品を紹介する「ジャパネットたかた」のテレビショッピングでお茶の間でもお馴染みの高田明氏(69)が社長に就任。短期間で物心両面での立て直しに成功しての初昇格となった。
◇V・ファーレン長崎 2004年に現島原市の有明SCと国見町の国見FCが統合して有明SCとして創設。翌05年に長崎県初のプロスポーツクラブとして「V・ファーレン(ヴィファーレン)長崎」と改称し、09年にJFLへ昇格した。J2初参戦となった13年に地元の国見高出身で”アジアの大砲”と呼ばれた元日本代表FWの高木琢也氏(49)が初代監督に就任すると、いきなり6位に躍進。J1昇格プレーオフ(PO)では準決勝で京都と0―0で引き分け、大会規定により敗退した。14年は14位に終わったが、15年には再び6位になってJ1昇格POへ進んだ。だが、準決勝で福岡に0―1で敗れてまたも昇格ならず。昨季は15位だった。ホームタウンは長崎市、諫早市を中心とする全県。クラブ名はポルトガル語で勝利を意味する「VITORIA (ヴィトーリア)」、多様性を表す「VARIEDADE(ヴァリアダーデ)」、オランダ語で平和を意味する「VREDE(ブレーダ)」、航海を意味する「VAREN(ファーレン)」を由来とする造語。
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