浦和の“アウトレイジ”大槻氏が見せた戦う姿勢 声でも選手の心つかむ
2018年04月24日 13:56
サッカー
思い切ったさい配と巧みな話術はチームに一体感ももたらした。橋岡、柴戸がリーグ戦デビューを果たすなど指揮した公式戦6戦でフィールド選手は全選手を起用。自然とチーム内の競争意識は高まった。成績不振で解任された堀孝史前監督は4バック布陣を基本としていたが、相手のシステム、特徴をみながら3バックも採用するなど柔軟さも光った。
ミーティングは名言の連続だったと言う。ラストマッチとなった21日の札幌戦前には「(大槻監督の最後という)ストーリーを乗っけるな」。「あなた達は日本で一番サッカーがうまい人達。プライドを持って戦おう」と伝え、選手のプライドを刺激した。槙野は「声で人を動かせる人。中畑清さんのようだった。短かったけど濃い時間を共有できた。チームが一致団結してまとまったと思う」。これほど短期間で選手、サポーターのハートを掴んだ指揮官は希有な存在と言っていい。
暫定期間を終えた22日、浦和はオリヴェイラ新監督(67)を迎えた。大槻氏は「今、もっともチーム を理解している」(中村GM)ことからヘッドコーチに就任した。変化したのはチーム内での役割だけではない。22日の練習では近寄り難い雰囲気だったオールバックが、サラサラヘアーに変わっていた。気のせいか、表情も柔和に見えた。今後は名参謀、選手と監督のパイプ役としても期待される。
オリヴェイラ新監督、大槻ヘッドの新体制で迎える初陣は25日、アウェーでの柏戦となる。果たして、 どんな戦いぶりを見せるのか。ヘッドコーチの“スイッチ”は入るのか。どうしても期待せずにはいられない。オリヴェイラ監督の隣りに髪をジェルで固めたオールバックの“あの男”が座っている事を。(記者コラム)