西野監督 8強で世界見返せ!真の勝負は7・2ベルギー戦だ

2018年06月30日 05:30

サッカー

西野監督 8強で世界見返せ!真の勝負は7・2ベルギー戦だ
<日本・ポーランド>試合後、ナバウカ監督(中央左)と握手を交わす西野監督(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 【W杯1次リーグH組   日本0―1ポーランド ( 2018年6月28日    ボルゴグラード )】 日本代表がアジア勢最多となる2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を決めた。28日にボルゴグラードで開催された1次リーグ最終戦でポーランドに0―1で敗れたが、順位決定規約でセネガルを上回り2位を死守。0―1で負けている終盤に時間稼ぎを指示した西野朗監督(63)の采配に批判も集まっているが、7月2日(日本時間3日午前3時)の決勝トーナメント1回戦、ベルギー戦で過去最高の8強入りを狙う。
 大ブーイングの中、0―1の敗戦を告げる終了の笛が響いた。その約2分後。スタッフが両手で丸をつくりピッチに入ってくると、西野監督はホッとした表情で、選手、コーチ陣と握手を交わした。ガッツポーズなど派手なしぐさはない。「負けをキープする他力の選択。不本意です。ブーイングを浴びながら選手にプレーさせたことは、自分の信条ではない。でも、その選択が正解と出れば勝負に勝ったことなのかなと思う」。究極の選択を自らに課し試合には負けたがバクチには勝った。

 まさにギャンブルだった。同時刻に行われたコロンビア―セネガル戦は後半29分、コロンビアが先制。この時点で16強切符はセネガルとの争いになった。西野監督は0―1の後半37分に長谷部を投入して、警告をもらわないこととスコアのキープを指示。攻撃をやめ、後方でボールを回して時計を進める策に出た。勝利手形を得たポーランドも攻撃には出ず“無気力試合”で試合はクローズ。結局、警告数などによるフェアプレーポイントの差で日本が上位となった。

 同点にすれば自力突破ができた状況で、日本が追いつくよりも、コロンビアが逃げ切る可能性に懸けた。自らのチームの力を信じ切れていない采配にも映るが、FIFAランクは日本の61位に対し、ポーランドは8位。コロンビア、セネガルと実際に対戦した肌感覚も踏まえた上での決断だった。40年来の付き合いがある日本協会の田嶋会長は「西野さんが動揺したところを見たことがない。神戸の監督を(6カ月で)解任されても冷静だった」と評する。1次リーグ敗退ならバッシングは不可避。泰然自若の指揮官は、ある意味で最も強い選択をした。

 セネガル戦から先発6人を変更する大胆采配で、主力の温存にも成功した。7月2日には、決勝トーナメント1回戦でベルギーと激突する。1次リーグ突破は2大会ぶり3度目。西野監督は「過去2大会は全てを出し尽くした状況で、ベスト16の試合に臨んだ日本があった。精神的に今までとは違う持ち方をさせたい。今日の分まで強気でゲームを迎えたい」と力を込めた。鬱憤(うっぷん)がたまった1次リーグ突破。前代未聞の経験を初の8強入りにつなげる。

 ▼フェアプレーポイント 今大会から順位決定の基準として採用された。警告と退場による累計ポイントを比較する。ポイント数は警告+一発退場=マイナス5、一発退場=マイナス4、警告2枚での退場=マイナス3、警告=マイナス1で減点が少ない方が上位。日本は警告4枚で、1次L終了時で出場国全体の9番目。セネガルは警告6枚で19番目。日本が上位となり決勝T進出が決まった。

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