ハリルホジッチ監督、ナントびっくり!?降格圏から4連勝 躍進のウラに“日本式ルール”
2018年11月06日 11:30
サッカー
0―3で大敗した初陣のボルドー戦後、公式戦連勝を4に伸ばした。連勝中に14点を奪った一方で失点は1のみ。圧倒的な結果を導き出したキーワードは「日本化」という。15年から今年4月まで日本代表を率いた指揮官は試合後の会見で「チームに日本的なものを取り入れている。規律を守ること、互いをリスペクトすること、時間を守ること。魔法のつえではないが、徐々に機能してきている」と説明。“日本式ルール”を導入しチームの結束力を高めた。
ピッチにも日本の経験を注入した。連勝が始まったトゥールーズ戦で今季初出場させたのがMFジロット。16年にアンドレイの登録名でJ2京都でプレーしたブラジル人ボランチを中盤の底に起用し、守備に規律と安定が生まれた。戦術はポルトガル人のカルドソ前監督のポゼッション重視から、日本代表時代と同様、縦に速い堅守速攻に切り替えた。
「コミュニケーション不足」と批判された日本時代の反省も生かされている。「各選手に攻守における役割を説明した」と対話を重視。中でも熱心なマンツーマン指導で復調させたのが、アルゼンチン人FWサラだ。現役時代にナントで2度リーグ得点王に輝いたハリルホジッチ監督は「中盤ではワンタッチのみ。ゴール前の仕事に集中しろ」などと助言。トゥールーズ戦の3得点を皮切りに公式戦4戦連続の計7ゴールという大活躍につながった。
DFカルロスは「監督の練習は気に入っている。精神面も、プレーも、インテンシティー(強度)も変わった」と証言。地元メディアで「ボスニアン・ウィザード(魔術師)」と称されるなど、手腕に対する評価は高まっている。それでも、指揮官自身は「謙虚であり続けなければならない。選手も分かっていると思う」と勝ってかぶとの緒を締めた。