J1「令和1号」は横浜FW仲川「狙ってました」お見事V弾
2019年05月04日 05:30
サッカー
節目に強い“持ってる”男だ。今季は開幕節G大阪戦で逆転勝利につながる同点弾を挙げ、平成最後の公式戦だった4月28日の鹿島戦でも決めた。「(令和初ゴールの)チャンスがあるとしたら自分たちの試合か浦和―磐田のもう1試合。正直、狙ってました」と笑った。試合後には観客席に向かって、再び「令」ポーズをつくると、左腿裏をつるアクシデントのおまけつきだった。
平成を振り返れば、苦難の連続だった。川崎Fでトップチーム昇格がかなわず、進んだ専大では4年生だった14年に前十字じん帯断裂を含む右膝の大ケガを負った。15年に入団した横浜でも当初は定位置をつかめず2度の期限付き移籍を経験。それでも「壁にぶち当たったり悔しい思いをしたけど、それが今の自分を動かしている」と悔しさをバネに変え、成長を続けてきた。
視察した日本代表の森保監督は「狙い通りの崩し方をしていた。素晴らしいゴールだった」と賛辞を贈った。日本代表について「サッカー選手はみんな目指す場所。早いうちに入りたい」と話す仲川にとっては名刺代わりの一発となった形だ。壁を乗り越え迎えた新時代は、最高の幕開けとなった。
◆仲川 輝人(なかがわ・てるひと)1992年(平4)7月27日生まれ、川崎市出身の26歳。川崎F下部組織、専大を経て15年に横浜加入。16年にJ2町田、17年にJ2福岡へ期限付き移籍し、18年に横浜復帰。J1通算40試合12得点。1メートル61、57キロ。利き足は右。