元伊代表ディアマンティ 古巣ボローニャ移籍の冨安に「彼は良い選択をした」
2019年06月30日 17:12
サッカー
「とても素晴らしいゲームだった。東京は勝つに値するゲームをしたと思う。横浜は相手に速攻のスペースを与えすぎたようだ。東京は背番号11が素晴らしかった。前線からプレスをかけ、そして何度も速攻を仕掛けていた。アシストもしたし、素晴らしい内容だったと思う。東京のセンターバック2人も良かった。良いCBコンビだと思う」。
FC東京の背番号11とは、もちろん前半28分にカウンターからループシュートを決めたFW永井。永井は6月9日のエルサルバドル戦で日本代表令和1号弾を決めるなど好調を維持しており、ディアマンティもその快足FWのプレーに目を奪われたようだ。さらに印象に残った選手に、元日本代表DF森重真人(32)と、元韓国代表DFチャン・ヒョンス(27)の強力センターバックコンビの名前を挙げた。
ディアマンティはイタリア代表としても17試合に出場した経験を持つ。チェザレ・プランデッリ監督(61)のもと、ザックジャパンも出場した、ブラジルで開催されたコンフェデレーション杯にも出場。日本との直接対決こそ出番なしに終わったが、当時の日本代表の印象も語ってくれた。
「あのときの日本代表は本当に強かった。本田、長友、香川…。あの試合は、日本の方が良いプレーをしたと思う。結果的には僕らが勝つことはできたけど、試合は完全に日本ペースだった。試合後の夕食で、チームのみんなが、『日本は本当に強いチームだ』と言っていたことを覚えているよ」。
試合は前半4分に本田のPKで日本が先制。さらに同33分に香川が追加点を決め、一時は日本が2点のリードを奪った。それでもその後はイタリアも反撃、デロッシ、バロテッリ、ジョビンコが効率的に得点を決め、壮絶な撃ち合いを4―3で制した。それでもW杯4度の優勝を誇るサッカー大国をあと一歩のところまで追い詰めた当時の日本代表は、ベンチで戦況を見守ったディアマンティの記憶にもまだ強く残っているようだ。
公式戦496試合出場を誇るディアマンティにとって、もっとも思い入れの強いチームのひとつが、今も住居を構えるボローニャ。在籍2年半でリーグ戦83試合19得点と活躍し、主将も務めるなどファンの人気は今も絶大だ。くしくもボローニャはかつて元日本代表MF中田英寿(42)氏がプレーし、来季から現日本代表DF冨安健洋(20)が加入するチームだ。
「イタリアを飛び立つ前に、新聞で読んだよ」とディアマンティの耳にも冨安の情報はしっかり入っているようで「とても強靱なフィジカルを持っていると聞いたよ」とその印象を口にした。さらに日本人センターバックとして初のセリエA挑戦となる旨を伝え聞くと「彼にとっては本当にファンタスティックな経験になるだろう。彼はそれにまだ若いだろ?20歳?レベルアップすることは間違いないと思うよ」と期待した。そして「ボローニャは本当に食べ物が美味しいんだ。だから彼になにかひとつ助言するとすれば、食べ過ぎには注意ということぐらいかな(笑い)。冗談はさて置き、監督のいうことを良く聞くことだろうね。ミハイロビッチはとても優秀な監督だから。それにボローニャファンはとてもチーム愛が強いから、スタジアムも熱狂するだろう。彼は良い選択をしたと思うよ」と、冗談交じえながら冨安にアドバイスを送った。
ディアマンティは最後に自身の去就についても言及。「リボルノとの契約が満了し、今はフリー。2、3ほどオファーを受けているが、自分にとって興味深い話しが他にないか探っている段階だ。今はゆっくり身体を休めて、自分の代理人とマネージャーが自分にとって最良の選択ができるように動いてくれている」と話した。そしてJリーグからオファーが着たらと尋ねると「もし本当にそういう話しが着たら、前向きに考えたいね。なぜなら、日本はとても好きな国だし、自分のサッカー選手としてのキャリアはもちろん、人間としても大きな経験になるだろうからね」と強調した。
◇アレッサンドロ・ディアマンティ 1983年5月2日、イタリア・トスカーナ州出身の36歳。リボルノに所属した07年8月25日にセリエAデビューを果たし、09~10年はプレミアのウェストハムでプレー。11~12年シーズンから3年半プレーしたボローニャでは主将も務め、14年2月には中国1部の広州恒大に移籍。リーグ優勝に貢献した。18~19年はセリエBのリボルノでプレーし32試合で10得点。イタリア代表は10年11月17日のルーマニア戦でデビューを果たし12年欧州選手権に出場。13年コンフェデ杯では日本代表とも対戦。国際Aマッチ出場は17試合1得点。1メートル80、75キロ。利き足は左。
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