湘南・チョウ監督 選手に成長してほしい一心で…「マネジメント力の低さを痛感」

2019年10月04日 20:38

サッカー

湘南・チョウ監督 選手に成長してほしい一心で…「マネジメント力の低さを痛感」
記者会見で謝罪するJ1湘南のチョウ貴裁監督 Photo By 共同
 Jリーグが調査の結果、湘南のチョウ貴裁(チョウキジェ)監督(50)の選手やスタッフに対するパワーハラスメントを事実と認定したことを受け、湘南は4日夕方に平塚市内で記者会見を行った。当初は出席の予定がなかったチョウ監督も出席。「今回出たJリーグの裁定を真摯に受け止めるだけではなく、受け手の人たちがどう感じたかということにもっと思いを馳せて自分自身、指導への教訓としなければいけない。皆様からのご指摘によって、自分自身が突っ走ってきた指導者人生の中で振り返る大きなきっかけにしないといけない」。憔悴しきった表情を引き締めて、選手、スタッフをはじめ関係者に対する謝罪の意を述べ、深く頭を下げた。
 一方で、自身の今後については明言しなかった。これまでの指導者人生について振り返りながら、説明した。

 「僕は指導者として、大人のカテゴリーだけでなくて、小学生中学生と様々なカテゴリーに関わる中で、選手の成長に手を貸したいというか、最終的に選手が“成長したな”と自分自身でそういうことを乗り越えて次に向かっていけるような、たくましく、見ている人に感動を与える選手でいてほしいとの思い、その一心で指導してきた」

 「プロチームの人であろうが、スクールの子どもたちであろうが、全く同じ気持ちでやってきたつもり。今回周りの方に結果的に迷惑をかけてしまった、そのことが僕が一番自分自身で、起こしてはいけないことだった。最も選手との関係性とかスタッフとの一体感を大事にしてきたつもりなので、自分のマネジメント力の低さとか、先見性の無さとか、指導者としての浅はかさとか、そういうものを自分の中で痛切に感じている」

 「湘南ベルマーレとか、どのチームとかっていうことを考える立場にない。僕がこうしたい、ああしたいということをこの場で申し上げてもまったく説得力がない。ただ一言、もし許されるならば、自分は人に対して、それが子供でも大人でも、親しくても親しくなくても、嫌がらせの類いとか、意地悪とか、嘘をついてその場を乗り切ろうとか、それは最も自分の中で最も恥じるべき行動と思っているので、そういうものが結果的に今回、意図はそうでなくても起きてしまったということに向き合う時間は必要」

 「当たり前ですけど、正直、この時間(自粛中)にサッカーを集中して見ることもほとんどできなかったので、自分の未来については、僕がどうしたいああしたいと言うよりも、もし求められるものがあるならば、もし僕の今の姿を真摯に見せられる場所があるのであれば、とは思ってますけど、今日のこの時点で僕を育ててもらったベルマーレでこのチームとか選手達スタッフの皆さんに対して、僕からこうですということは特にできない」

 その後の質疑応答でも、「とにかくチームを強くしよう、チームを成長させよう」と、湘南での指導歴が増えるごとに思いを強くして指揮にあたってきたと回想。「自分だけがそういう思いを加速させて、周りの選手やスタッフの本当の気持ちとか、本当はこうしたいんだけど言えなかったとか、人それぞれの真実みたいなものを半ば度外視して、プロの監督としてはそういった厳しさも必要ということもありながら、そういったものだけを重視して、本当に見えているものが見えなくなってきたのかなと、この50日近い時間の中で凄く考えることが多かった毎日だった」と振り返る場面もあった。

 Jリーグからは公式試合5試合の出場資格停止が科されているが、既に5試合で指揮を自粛しているために制裁を科したものとされ、6日のJ1川崎F戦から復帰可能となる。ただ、川崎F戦から指揮を執るか否かは未定だ。クラブは今後、主要株主の意見や本人の意志を踏まえた上で去就を決定する。指揮官は「人としてもそうですが、指導者としても自分のそういう信念そのものを今後さらに磨いていける材料としないといけない。先程も言いましたけど、許されるならば、そういったものがまた自分の本当のものになっていくように真摯に努力するしかない」と話すにとどめた。

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