JFA・田嶋会長、新型コロナ陽性 トップの感染…J再開時期、代表活動への影響不回避
2020年03月18日 05:30
サッカー
田嶋会長がJFAを通じて出したコメントによれば、14日のJFA理事会を終えて帰宅後、セルビア協会会長の感染を知った。「UEFA(欧州サッカー連盟)総会で近くにいらっしゃったことは覚えています」とした。感染経路の詳細は不明だが、15日の検温では微熱があり、16日に文京区の保健所に相談。検査の結果、発症は14日とされた。
JFAでは2月26日から職員を在宅勤務、JFAハウス内も消毒し感染予防を徹底してきた。だが今月初旬にオランダで行われたUEFA総会ではまだ新型コロナに対する危機感は薄く、ハグ、握手なども行われた。その後、田嶋会長は5日になでしこジャパンのスペイン戦視察のため渡米。選手と同じホテルに滞在したが、数人とすれ違った程度で全て別行動だったという。
この日のJFAハウス内にも緊張が走った。Jリーグ理事会の終了直後、サッカー関係者に感染の疑いがあるとの情報が入り、記者会見は急きょ中止。ウェブでの公開に変更され、集まったメディアもJFAハウスからの退去を命じられた。今後は建物全体の消毒も含め、対応に追われることになる。
サッカー界では3月のW杯2次予選が延期。Jリーグも公式戦を中断中だが、協会トップの感染は再開時期にも影響を及ぼしそうだ。日本代表の森保監督、なでしこジャパンの高倉監督とは保健所が濃厚接触とする14日(発症日)以後の接触はなかったことが確認されたが、予断は許さず今後の活動にも影響は必至の状況だ。
「知らずにご一緒した方々、各所の皆さまにご心配をおかけすること、本当に申し訳ないと思います。今後は医師の指示に従い治療に専念していきます」と田嶋会長。協会トップのコロナウイルス感染が日本全体に与えたインパクトは、とてつもなく大きい。
▼スポーツ庁鈴木大地長官 日本協会をはじめ、関係する団体がしっかり情報収集し、しかるべき対応をしてもらいたい。対岸の火事ではなくしっかり受け止め、改めて引き締めていかないと。
◆田嶋 幸三(たしま・こうぞう)1957年(昭32)11月21日生まれ、熊本県出身の62歳。浦和南高3年時に主将として全国高校選手権で優勝。筑波大4年時の79年には日本代表に選出。卒業後は古河電工で2年間プレーし引退。JFAには93年から従事。10年には当時の小倉会長のもと副会長を務め、11年にアジアサッカー連盟(AFC)理事、13年6月にJOC常務理事に就任。15年4月には日本人4人目となるF1FA理事に、16年1月にJFAの会長選挙で当選した。18年3月には東アジアサッカー連盟(EAFF)副会長に就任、19年6月にJOC副会長に就いた。